2018 Fiscal Year Annual Research Report
Transplantation tolerance by regulatory immune response through innate immunity stimulation
Project/Area Number |
15K10043
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
藤野 真之 国立感染症研究所, エイズ研究センター, 研究員 (50392329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 一泰 国立感染症研究所, エイズ研究センター, 主任研究官 (20270655)
村上 努 国立感染症研究所, エイズ研究センター, 室長 (50336385)
梨井 康 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 移植免疫研究室, 室長 (60321890)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 移植免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然免疫は獲得免疫の指向性に重大な影響を及ぼす。臓器移植においては、移植臓器の拒絶反応制御に、感染症においては、生体内のウイルス制御に影響を与えることが報告されている。本研究は、「自然免疫惹起刺激による免疫抑制機構を介した移植免疫抑制法の確立」を目的とする。自然免疫機構を介した移植抗原特異的な免疫(獲得免疫)抑制方法の確立を、アロ臓器移植モデル等を用いて検討する。 本年度はサルビアノール酸B(SalB)投与による、急性移植片対宿主病(aGvHD)の効果についての検討を行った。aGvHDは、同種造血幹細胞移植後に生じる致命的症状としてその問題が取り残されている。自然免疫反応はaGvHDにおいて重要な役割を果たすことが知られている。SalBは自然免疫反応に主要な効果を及ぼすことが広く報告されているが、aGVHDモデルにおける効果は未だ報告されていない。我々はB6ドナー脾細胞をSalB投与放射線未照射BDF1レシピエントに移植し、移植後14日目に肝臓および血清を採取した。その結果、SalBはaGvHDの肝障害を改善し、マウスの生存を促進した。 また、SalBは、肝臓におけるaGVHDによって上昇する炎症誘発性サイトカインおよびケモカインの発現を低下させた。さらに、SalB処置、肝臓組織におけるPGC-1αおよび非実質細胞におけるHO-1発現を増強した。一方、HO-1阻害剤は、aGVHDを有するマウスの生存率の改善を無効にした。これらの結果は、SalBが、HO-1の発現誘導および自然免疫反応を介して、aGvHDを制御していることを示唆している。SalBはaGvHDにおける新しい治療方法となる可能性を有することを示唆するものである。 また、本年は免疫制御効果知られているTLR2リガンドであるザイモザンの種類、投与量、投与経路、投与方法による免疫制御についての検討を行った。
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Research Products
(15 results)