2015 Fiscal Year Research-status Report
唾液を用いた乳癌の新規検診モダリティーおよび新規バイオマーカーの開発
| Project/Area Number |
15K10060
|
|---|
| Research Institution | Nagoya City University |
|---|
Principal Investigator |
遠山 竜也 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30315882)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊岡 利正 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (40183496)
吉本 信保 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10551244)
遠藤 友美 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20566228)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
| Keywords | 乳癌 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
乳癌の罹患数は増加の一途を辿っており、乳癌の早期発見および治療成績の向上が国家的急務となっている。私たちはこれまでに、「唾液中ポリアミン」を特異的かつ高感度に測定する分析法の開発に成功した。さらに、唾液中ポリアミンが乳癌患者において健常人より高値を示すことを世界に先駆けて発見した。これらの一連の研究成果を踏まえて、本研究では、[I] 唾液中ポリアミンを用いた新規乳癌検診モダリティーの開発と、[Ⅱ] 唾液中ポリアミンの乳癌治療における新規バイオマーカーとしての有用性の確立を目的とする。
まず、①群：健常人ボランティア61例、②群：初発乳癌患者111例、③群：再発乳癌患者36例から唾液を採取した。再発患者は治療のサイクルに合わせて複数回採取した。採取した唾液を用いて、高速液体クロマトグラフィ分離を行ったのちにタンデム質量分析（MS(mass spectrometry)/MS）を行うことにより、12種類の唾液中ポリアミンの測定を行った。
8つのポリアミンが坦癌患者と相関を認めた。このうち6つのポリアミンを使用して、乳癌の判別式（discrimination score：-10～0＝健常者、0～10＝乳癌患者）を構築した。トレーニングセットでの一致率は乳癌患者と健常者でそれぞれ88％と78％であった。validationセットでの一致率は乳癌患者、健常者ともに88％と高率であった。また、discrimination scoreは乳癌が進行するほど高くなる傾向にあった。ROC解析の結果、この判別式の感度と特異度は80％に近い数字を示した。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初発乳癌患者を対象とした解析が順調に進んだ。
|
| Strategy for Future Research Activity |
再発乳癌患者を対象として検討を行う。また、乳癌以外の癌腫を対象とした検討も行う。
|
| Causes of Carryover |
乳癌以外の癌腫の症例からの唾液サンプルの採取およびその解析がまだできていない。
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
乳癌以外の癌腫（大腸癌・胃癌・肺癌）症例からの唾液採取を計画的に行う。
|
-
[Journal Article] Diagnostic approach to breast cancer patients based on target metabolomics in saliva by liquid chromatography with tandem mass spectrometry.2016
Author(s)
Takayama T, Tsutsui H, Shimizu I, Toyama T, Yoshimoto N, Endo Y, Inoue K, Todoroki K, Min JZ, Mizuno H, Toyo'oka T.
-
Journal Title
Clin Chim Acta.
Volume: 452
Pages: 18-26
DOI
Peer Reviewed
-
