2015 Fiscal Year Research-status Report
新規樹立食道神経内分泌癌細胞株を用いた治療標的分子の探索
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15K10089
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
小島 博文 富山大学, 大学病院, 診療助手 (60750114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 知之 富山大学, 大学病院, 講師 (10533523)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 食道原発小細胞癌 / 神経内分泌癌 / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】食道原発神経内分泌細胞癌(NEC)切除症例における予後予測マイクロRNA(miRNA)を探索する。【方法】当院にて外科的切除を施行したNEC 6例について臨床病理学的因子を検索し、FFPEブロックが得られた5例について切除標本におけるmiRNA発現をマイクロアレイを用いて解析した。抽出されたmiRNAについて培養細胞株を用いた分子生物学的機能解析を行った。【結果】症例は臨床病期Ⅰ/Ⅱ: 2例、Ⅲ/Ⅳ: 4例。全例に治癒切除およびCDDPを含む補助化学療法が行われた。予後は無再発生存3例(209.0、180.7、56.1ヶ月)、癌死3例(1.7、5.1、8.5ヶ月)であり、臨床病理学的因子と有意な相関を認めなかった。無再発2例および癌死3例でのmiRNA発現解析にて両群は明確に異なるクラスタに分類され、無再発例においてmiR-4323, miR-625, miR-3619の発現が有意に亢進していた(p<0.01)。癌死1症例の新鮮標本より培養細胞株を樹立しRT-PCRを施行したところ上記3分子のうちmiR-625の発現が亢進していた。アンチセンスRNAを用いてmiR-625発現を抑制しMTTアッセイを施行したところ細胞増殖およびCDDP感受性が有意に低下した。【まとめ】食道NECにおいてmiRNA発現解析によって手術および補助療法による長期生存が予測できる可能性が示唆された。またmiR-625が化学療法抵抗性などの悪性度に関与しており新たな治療標的となる可能性が示唆された。現在、さらに症例を蓄積して解析するため多施設での標本収集にむけて準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
多施設共同研究として稀少腫瘍である食道NEC標本の収集に向けた準備を進めているが稀少腫瘍であるため収集が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
稀少腫瘍である食道NEC標本を多施設で収集しさらに詳細な解析を進める。
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Causes of Carryover |
多施設共同研究として標本を収集しマイクロアレイ解析を行う予定であったが、倫理審査委員会の承認に時間を要したため、28年度から標本の収集と解析を行う予定であり使用額を次年度に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
多施設共同研究として標本を収集しマイクロアレイ解析を行う。
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