2015 Fiscal Year Research-status Report
消化管間葉系腫瘍に対する分子標的治療薬耐性のメカニズムの解明
Project/Area Number |
15K10098
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 剛 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50452389)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 消化管間質腫瘍 / GIST / 分子標的治療 / 薬剤耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
消化管間質腫瘍(GIST)は、KIT の機能獲得型変異で発生することが発見され、病因に基づく分子標的治療薬が臨床導入された。高い病勢コントロール率を示す一方で、5年の長期寛解後の治療中止が全例再燃を来すことが報告され問題となっている。また、治療奏功中の切除症例において、切除標本からは、viable なpersistent cells が確認されている。本研究では、persistent cells の特徴を明らかにし新規治療法の開発を目的とする。さらに、その先のresistant cells が出現を誘発しやすい環境等についても検討を行い、二次耐性発生機構を明らかにする事を目的としている。 平成27年度には、同一患者で、初発切除とイマチニブ耐性後の切除を行った8ペアー検体を集積し、エキソーム解析を行い先行研究で検出された変異分子と部位について比較を行った。その結果、KITの二次遺伝子変異がdominantに発生していることを確認した。 さらに、in vitro の細胞を用いて、イマチニブ上記変異箇所に限定し、10万回以上のリードによるdeep sequence を行い、その割合の変化を検討する。親株から順を追ってその遺伝子変異がどの段階で出現してきたものか、あるいは元から存在していた変異であるかについての数理学的解析を行い、株発生の系統図を作成できた。さらにその発生に関連する遺伝子変異の候補を数個同定しえた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
消化管間質腫瘍(GIST)は、KIT の機能獲得型変異で発生することが発見され、病因に基づく分子標的治療薬が臨床導入された。高い病勢コントロール率を示す一方で、5年の長期寛解後の治療中止が全例再燃を来すことが報告され問題となっている。また、治療奏功中の切除症例において、切除標本からは、viable なpersistent cells が確認されている。本研究では、persistent cells の特徴を明らかにし新規治療法の開発を目的とする。さらに、その先のresistant cells が出現を誘発しやすい環境等についても検討を行い、二次耐性発生機構を明らかにする事を目的とした。 平成27年度は、ヒト臨床検体ならびにGIST細胞株を用いたエキソーム解析を実施し、結果当初目的となる可能性のある分子を同定し、平成28年度はその変異の意義について機能解析を行う見込みである。そういった点から当初予定した計画に従った実行ができていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、候補となった分子の遺伝子変異を含むプラスミドを作成し、順に、GIST-T1親株に遺伝子導入を行う。導入された株については、イマチニブの感受性の変化について検討を行い、イマチニブ暴露化の「persistent cell」がより早くより多く誘導されるかについて検討を行う。さらにその遺伝子変異がどういったサバイバルシグナルに影響を及ぼすかについて発現解析、リン酸化iTRAQを用いた解析によりリン酸化シグナルの亢進を認めるタンパク解析を行う。その結果に対して、バイオインフォマティックス技術を用いて、サバイバルシグナル経路の探索を行う予定である。
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Causes of Carryover |
in vitro の細胞を用いて、イマチニブ上記変異箇所に限定し、10万回以上のリードによるdeep sequence を行い、その割合の変化を検討する。親株から順を追ってその遺伝子変異がどの段階で出現してきたものか、あるいは元から存在していた変異であるかについての数理学的解析を行い、株発生の系統図を作成するための物品を購入したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
バイオインフォマティックス技術を用いて、サバイバルシグナル経路の探索を行うための物品を購入するため。
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Research Products
(1 results)