2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the mechanism of resistrance for anticancer drugs in respect with the stroma of gastrointestinal cancer
Project/Area Number |
15K10109
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
石神 純也 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (90325803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
盛 真一郎 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (00620519)
飯野 聡 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (80598003)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 消化器癌 / 腫瘍間質 / PDL1 / 末梢血 |
Outline of Annual Research Achievements |
PD-L1 は腫瘍の免疫逃避機構を担う重要な免疫チェックポイント分子として知られており,胃癌においてはこの分子をターゲットにした免疫療法がセカンドライン治療を中心に臨床的に施行されており、その有効性が示唆されている.さらに胃癌間質におけるPD-L1 発現とその治療効果についての関連性が示唆されつつある.一方で,ニボルマブの投与は静脈経路であり、血中のPD-L1 mRNA 発現の影響が示唆されているものの、その臨床的意義について検討した報告はない。今回われわれは当科にて治療を行った胃癌133 例を対象とし,治療前に末梢血液を採取した.白血球分画でのmRNAを抽出してPD-L1 mRNA の発現は定量RT-PCR 法にて評価した(内因性のハウスキーピング遺伝子としてGAPDH を使用した).PD-L1 mRNA 発現において切除症例と切除不能症例を比較すると切除不能症例が有意に高値(P<0.0001) であった.一方,PD-L1 mRNA 発現と臨床病理学的因子との関係では,腫瘍深達度(P=0.002) およびステージ(P<0.001) と相関を認めた.さらに末梢血液中PD-L1 高発発現群の予後は,低発現群に比較して有意に予後不良であった(P<0.0001).胃癌における末梢血液中のPD-L1 mRNA 発現は,腫瘍の悪性度や予後を予測する上で重要な免疫マーカーとなる可能性が示唆された.今後はニボルマブ投与症例におけるPDL1陽性症例での治療効果を検討する予定である。
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