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2015 Fiscal Year Research-status Report

小腸移植における高圧ガス保存法の応用:再灌流障害軽減と免疫抑制作用の可能性

Research Project

Project/Area Number 15K10151
Research InstitutionTokyo Medical University

Principal Investigator

畑山 直之  東京医科大学, 医学部, 助教 (80534792)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 松野 直徒  旭川医科大学, 医学部, 講師 (00231598)
梨井 康  国立研究開発法人国立成育医療研究センター, その他部局等, その他 (60321890)
内藤 宗和  愛知医科大学, 医学部, 准教授 (10384984)
渡辺 賢  首都大学東京, その他の研究科, 教授 (60191798)
伊藤 正裕  東京医科大学, 医学部, 教授 (00232471)
Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywordsイヌ / 小腸 / 高圧ガス保存法 / 一酸化炭素 / 酸素 / 虚血再灌流障害
Outline of Annual Research Achievements

平成27年度は、一酸化炭素(CO)、酸素(O2)を用いた高圧ガス保存法にてイヌ小腸の保存を試みた。当初の研究計画では、ラット小腸を用いて高圧ガス保存を行う予定であったが、これまで我々は高圧ガス保存法による保存をラットの心臓、腎臓、そして四肢を用いて行ってきており、既存の保存法よりも長期的かつ質の良い保存が可能である結果を得ている。これらの基礎データを踏まえ、ラット小腸においても一定の成績を得ている。そこで研究を一歩推し進め、前臨床実験として大動物(イヌ)の小腸を用いて保存を行うことにした。
具体的内容;小腸の支配血管を処置し、空腸をトライツ靭帯から10cm、回腸を回盲部から10cmのところでそれぞれ切断し、摘出小腸を灌流脱血後、高圧ガス保存法にて24時間保存した。その後、同所性移植を行い評価を行った。これまで5頭の保存・移植を試みたが、虚血再灌流障害が最も激しいとされる移植から60~90分後においても、全ての移植小腸において、血色が良く、蠕動運動を確認している。移植後の小腸をサンプリングし、現在、組織学的、分子生物学的な評価を進めている。
意義・重要性;COとO2を用いた高圧ガス保存法にて保存したイヌ小腸は24時間保存した後も移植後の血流は良好であり、蠕動運動を確認することができた。この結果は、虚血再灌流障害の軽減を示唆し、さらに移植後の生着、そして予後の改善へと繋がっていくものと考えられる。さらに、これまでラットの臓器で行っていた高圧ガス保存法は、小動物の小さな臓器に関わらず保存対象がより大きな臓器であっても保存が可能であることを示唆し、この保存法の臨床応用への可能性を示せたと考える。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

高圧ガス保存法を大動物であるイヌの小腸を用いて実験できていることは大きな進展と言える。大動物実験を行うための環境を整えるのにやや時間を要してしまい、今年度は5頭の保存・移植に留まったが、実験環境は全て整い、今後さらに数を増やせるだろう。また全ての保存小腸に移植後の良好な感触を得ており、来年度、より詳細な解析・評価を実施する上で期待感のもてる結果であったと考えている。

Strategy for Future Research Activity

平成28年度は、CO、O2を用いた高圧ガス保存法にて保存したイヌ小腸を、より詳細に形態的・機能的に評価し、高圧ガス保存法による小腸の機能維持、障害軽減の程度を検討する。さらに分子学的な解析を行い、保護効果がどこに効果的に効いているのか、メカニズムの一端を解明する予定である。それぞれの解析は、保存しないで離断後すぐに移植したControlと、現在臨床で一般的に使用されている保存液であるUniversity of Wisconsin液と、それぞれ比較していく。組織学的評価は、HE 染色による粘膜上皮の形態観察、TUNEL 染色による細胞死の測定・定量、8-OHdG染色による過酸化ストレスの測定・定量し、機能評価は小腸の平滑筋収縮力・蠕動運動伝播度、周期、収縮力の比較検討を行う。そして、分子学的解析は、Real time RT-PCR によるmRNAの発現を各種プライマー(炎症性サイトカイン、アポトーシス関連、抗酸化関連)を用いて解析を行う。これらの評価・解析を通して、高圧ガス保存法の学術的な基盤を作り、臨床応用へと繋げていきたい。

Causes of Carryover

平成27年度は、820,847円の翌年度繰越額を計上した。今年度は、イヌの小腸保存移植実験に取り組み、その数は5例に留まった。その理由として、大動物実験を行うための環境整備に時間を要してしまい、十分な数の実験を行うに至らなかった。また、イヌの購入には通常1頭10万円強かかるが、今回業者から譲り受けたイヌもいたため、想定よりも安価に収まった。これらの理由から予算よりも使用金額が抑えられ、未使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成28年度は、引き続き大動物(イヌ)の小腸保存移植実験を行うため、未使用額はその経費に当てることとしたい。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] 高圧気相保存法による臓器保存2015

    • Author(s)
      畑山直之
    • Organizer
      日本臓器保存生物医学会
    • Place of Presentation
      岩手県
    • Year and Date
      2015-11-13 – 2015-11-14
    • Invited

URL: 

Published: 2017-01-06  

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