2016 Fiscal Year Research-status Report
胆道発癌過程におけるセネセンス関連microRNA発現の解析
Project/Area Number |
15K10186
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高畑 俊一 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (50437779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 隆生 九州大学, 大学病院, 准教授 (20372766)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 胆道癌 / セネセンス / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍が悪性化する前段階においてセネセンスが誘導され、腫瘍の悪性化を抑制していることが報告されている。消化器癌の中でも予後不良な癌腫の1つである胆道癌の発生過程におけるセネセンスの存在を明らかにし、特にセネセンスに関連するmicroRNAの発現を正常胆道上皮・胆道癌前癌病変・胆道癌組織で解析することを目的とする。また胆汁中のmicroRNA解析による早期診断法の開発および癌組織におけるmicroRNA制御による新規治療法の開発も併せて模索する。 平成28年度は胆汁中のmicroRNA抽出を試みた。特に胆道癌発癌高危険因子である膵胆管合流異常に注目して、術前のERC下に採取した胆汁からRNAを抽出し、microRNAの定量を行った。以前我々は膵液を用いてmicroRNA解析を行ってきており、同様の方法を用いて解析を行ったが、胆汁では同様の手技ではRNAの抽出は困難であった。そこでエクソソームに注目し、胆汁中のエクソソーム解析を行うこととした。エクソソームの証明としては①電子顕微鏡で小胞の確認、②ナノ粒子トラッキング解析(Nanosight)、③エクソソームマーカー解析(CD63, etc)が必要であり、胆汁を用いた解析で安定して①②③を再現性を以って示すことができた。回収したエクソソームを用いて内部に存在するmicroRNAの解析を現在行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
胆汁中のmicroRNAなどのsmall molecule の解析が困難であることは以前より指摘されており、今回も同様にRNA抽出の方法の確立そのものが必要であり、時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
胆汁中のmicroRNAを測定するが、候補としてmicroRNA(miR)-15b, miR-20a, miR-23a, miR-24, miR-25, miR-26a, miR-28, miR-29, miR-30, miR-34, miR-106b, miR-128, miR-141, miR-146a,b, miR-155, miR-182a, miR-183, miR-505, miR-519a-c, miR-885-5pに注目して定量を行う。またこれらのmiRNAは切除標本のものも定量化し、胆汁中microRNAが診断に有用であるかどうかの検証を行う。併せてセネセンスマーカーとして認知されているSA-β-GAL, p16, p15, Dec1, DcR2の免疫染色を切除標本を用いて行い、胆汁中microRNA濃度との相関を調べる。
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Causes of Carryover |
主要な解析装置は当該研究室に設置されているが、消耗品や出張費が必要となるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の遂行に必要な主要装置(共焦点レーザー顕微鏡、フローサイトメーター、in vivo蛍光イメージャー、リアルタイムPCR, 蛍光顕微鏡、遺伝子導入装置、セルソーター、バイオアナライザー、ナノドロップ、FACS機器など)は既に研究室内に設置されている。この他の機器(透過型電子顕微鏡、DNAシークエンサーなど)については学内の研究支援センターにおいて利用可能である。このため研究経費において新たな設備備品の購入は不要である。 他に実験に必要なガラス機器、試薬・抗癌剤、細胞株を用いた実験に必要なキット類(抗体、プラスミド、Western blotキット)などの消耗品が経費となる。また国内学会(2回/年を予定)、国際学会(1回/年を予定)など旅費として全経費の10%以内を予定している。さらに欧米誌への学術論文投稿・掲載料を年1-2論文分を計上した。
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Research Products
(4 results)