2015 Fiscal Year Research-status Report
エクスプラント心由来の自己幹細胞移植による拒絶緩和と膜組織作成法の開発
Project/Area Number |
15K10216
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
新井 禎彦 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (50345617)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 再生医療 / 心臓移植 / 心臓血管外科 |
Outline of Annual Research Achievements |
純系ラットを用いた異所性心移植をOno-Lindsey法(上行大動脈・腹部大動脈端側吻合および肺動脈・下大静脈端側吻合)により行い約60%の手術生存を得ているがまだ安定した手術成績とはなっていない。レシピエントにはFisher rat(F344)のオスをドナーとしてLewis ratのメスを用いる。また同時にFisher ratより、連携研究者が開発した方法で自己心臓内幹細胞の純化精製及び培養を行っており幹細胞の分離培養は安定した成績を得られるようになった。さらに手術生存例への免疫抑制療法は現在も早期死亡が頻発し、安定した評価可能な生着を十分に得ることができていない。
Sprague-Dawleyラット心臓を、0.02%トリプシン、1% SDS、3% Triton-Xおよび4%デオキシコール酸を用い、心組織全体を脱細胞化しその房室弁組織部分を採取している。その弁膜組織にどのように誘導した幹細胞を移植すれば弁膜組織に分化するかを検討しているが安定した骨格の広範囲への生着は得られていない。どのように誘導すれば、線維芽細胞、弁膜組織に分化して行くかを現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脱細胞骨格への心筋由来幹細胞を移植し、自己組織を再生する実験系において幹細胞の生着率が想定よりも低く、自己幹細胞由来組織として外科的修復に使用可能となるような安定した組織の作成が困難であるため。また異所性心移植モデルにおいては移植手術手技は次第に安定しているが免疫抑制剤投与群において予定の長期生存の達成率が低いため。
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Strategy for Future Research Activity |
脱細胞骨格による自己心筋由来幹細胞再生組織の作成においては、より細胞生着率の高くなる方策を検討する必要がある。適切な生着を得るのが困難な場合はこの実験系による組織作成が不可能となる可能性がある。この場合、幹細胞治療が組織再生よりもParacrine mechanismによる作用機序が中心となるという新たな仮説の策定と検討が必要となる可能性がある。 異所性心移植モデルにおいては引き続き手術生存率の改善を図る必要がある。また長期生存可能な適正な免疫抑制療法を検討し、現在の免疫抑制剤以外による治療を行うなどの方策で生存率を改善する必要がある。
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[Journal Article] Intracoronary autologous cardiac progeitor cell transfer in patient with hypoplastic left heart syndrome: ths TICAP prospective phase 1 controlled trial2015
Author(s)
Ishigami S, Ohtsuki S, Tarui S, Ousaka D, Kondo M, Okuyama M, Kobayashi J, Baba K, Arai S, Kawabata T, Yosihizumi K, Tateishi A, Kuroko Y, Iwasaki T, Sato S, Kasahara S, Sano S, Oh H
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Journal Title
Circulation Research
Volume: 116
Pages: 653-64