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2016 Fiscal Year Research-status Report

血管新生因子誘導剤による術後脊髄虚血予防法の開発

Research Project

Project/Area Number 15K10243
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

島村 和男  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10507205)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 倉谷 徹  大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (90448035)
鳥飼 慶  大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70364792)
Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords再灌流障害
Outline of Annual Research Achievements

胸部大動脈瘤は破裂すれば高率に死亡に至る予後不良な疾患であり、外科的手術(開胸手術もしくはステントグラフト治療)が行われる。しかし、胸部大動脈瘤術後には重篤な合併症が認められることが少なからずあり、中でも脊髄の虚血性障害による対麻痺は患者の生活の質(QOL)を著しく損ない、生命予後を不良とする重篤な合併症として知られている。近年の研究では、術後脊髄虚血(前脊髄動脈の疎血・再灌流障害)の回避には脊髄灌流側副血行路の発達が重要な役割を果たしていることが明らかとなっている。そこで本研究では、血管再生因子誘導剤であるONO-1301による脊髄側副血行促進法を開発し、術後の脊髄虚血を予防する治療法を開発することを目的としている。
ONO-1301の投与経路としては経静脈投与が最も汎用性が高いが、虚血部位局所の薬剤濃度を上げるのに有効な手段として、nanoparticle(NP)を利用した静脈投与時の薬物動態および有効性の検証を行なっている。本年度も昨年度に引き続き、すでに虚血再灌流モデルとして確立されている心筋虚血再灌流モデルを用いて検証を行った。ガドリニウムラベルを用いたMRIによる検証では投与後24時間で虚血部位にNPが集積しすることが確認され、投与後24時間では心筋内濃度が血清濃度に比べ有意に上昇していることが確認された。またONO-1301NP投与群ではNP単独投与群と比較し梗塞領域が有意に減少することが示された。さらに組織学的にはHGF, PDGF, SCDF-1の発現がONO-1301群で有意に増加しており、さらにはCD31陽性毛細管が有意に増加していることが確認された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

Nanoparticleを利用したONO-1301の経静脈投与システムは、ONO-1301を虚血部位に集積させ、各種サイトカインを誘導し血管新生を促すことが明らかとなった。これにより虚血障害に対する有効な投与法であることが示された意義は大きいと考えられる。さらなる作用機序の解明を要するとともに、今後脊髄虚血モデルでの検証へと移行する予定である。

Strategy for Future Research Activity

より詳細・的確な脊髄虚血予防法の確立につながると考えられるため、脊髄虚血・再灌流障害における側副血行路の発達機序の解明に取り組む予定である。

Causes of Carryover

本年度に行った研究では、確立された心筋虚血モデルを使用し薬物動態および投与効果を検証した。また大動物でのモデル作成に至らなかったため、計画より使用額が少額となった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

引き続き、より詳細・的確な脊髄虚血予防法の確立につながる脊髄虚血・再灌流障害における側副血行路の発達機序の解明に取り組む予定である。また大動物モデルでの検証を行う予定としている。

URL: 

Published: 2018-01-16  

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