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2016 Fiscal Year Research-status Report

肺癌におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性化後の放射線を併用した新しい治療法の開発

Research Project

Project/Area Number 15K10258
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

浅野 博昭  岡山大学, 大学病院, 助教 (70534775)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 佃 和憲  岡山大学, 大学病院, 講師 (20346430)
Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords肺癌 / EGFR-TKI耐性
Outline of Annual Research Achievements

上皮成長因子受容体(EGFR)に遺伝子変異を有する非小細胞肺癌において、チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)に対する獲得耐性の克服が急務となっている。この研究の目的は、EGFR-TKI耐性肺癌細胞株を樹立し、EGFR-TKI耐性化後の肺癌に対する新しい治療法を開発することである。
平成27年度の計画としては、(1)EGFR-TKI耐性株の樹立・維持、(2)EGFR-TKI耐性株の分子腫瘍学的考察であった。まず、EGFR-TKI耐性株としては、HCC827肺癌細胞株に加えて、HCC4006肺癌細胞株のEGFR-TKI耐性株を樹立した。HCC827肺癌細胞株の耐性株は、(a)MET増幅を伴うものと、(b)癌幹細胞様の特徴を有するものを樹立している。我々のグループでは、MET増幅を伴うものには新規HSP90阻害剤であるAUY-922と放射線の併用が有効であることを証明し、報告している。今後、癌幹細胞様の特徴を有するEGFR-TKI耐性株において耐性獲得の克服が問題となってくるが、癌幹細胞様の特徴を有するHCC827、HCC4006のEGFR-TKI耐性株において分子腫瘍学的な特徴を調べてみると、薬剤耐性に関与するABCB1蛋白(薬剤排出トランスポーター)のmRNAの発現がそれぞれ約1000倍、約10000倍以上に著しく増加していた。これらの耐性株でsiABCB1を用いてABCB1をノックダウンすると、ABCB1の発現は約1/10に低下し、siABCB1投与前は耐性であった化学療法剤(ドセタキセル)に対する感受性を回復させることができた。
平成28年度はABCB1阻害剤のElacridaの有用性について、論文化に向けてさらに検討を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

EGFR-TKI耐性肺癌細胞株の分子腫瘍学的な解析では、癌幹細胞に関する種々の伝達経路、マイクロRNAを調べて、上記のABCB1が治療の標的となり得ることが分かった。当初はNOTCH経路の阻害剤、wnt経路の阻害剤、Hedgehog経路の阻害剤などと放射線を併用することで耐性の克服を考えていたが、EGFR-TKI耐性化後の肺癌細胞株においてABCB1阻害が予想以上に効果的であることが分かり、論文化に向けて詳細に検討することができた。EGFR-TKI耐性化を克服するための標的を発見するという目標に向かっては順調に進展していると思われる。

Strategy for Future Research Activity

この研究では、EGFR-TKIに耐性となった肺癌株のうち特に癌幹細胞様の特徴を持ったものに対する治療法の開発が第一目標である。平成29年度も引き続きEGFR-TKI耐性肺癌株においてNOTCH経路、wnt経路、Hedgehog経路、マイクロRNAなどに治療の標的になりうるものがないか解析を継続する。また、第3世代のABCB1阻害剤(Elacrida)の有用性について論文化を進める。

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Published: 2018-01-16  

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