2016 Fiscal Year Research-status Report
apneic oxygenation理論を用いた気道手術の新しい呼吸管理法の開発
Project/Area Number |
15K10261
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
呉 哲彦 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (50313656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 奈都美 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (20572853)
藤原 敦史 香川大学, 医学部, 医員 (00748642)
横見瀬 裕保 香川大学, 医学部, 教授 (80231728)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | 術中呼吸管理 / 気道手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
apneic oxygenation理論に基づく術中の無呼吸管理の遂行と、その発展型であるY字型細径チューブを用いた無呼吸管理化における二酸化炭素の洗い流し効果についての検討をおこった。 全身麻酔下のイヌを使用し、純酸素でのhyper-ventilationを10分間おこない、十分な酸素を行なった後、頸部気管を2cmの長さに環状切除し、同理論を用いた呼吸管理を30分間行った。 5匹のイヌを使用し、気管切除断端より細径チューブを挿入し、無呼吸下に高流量酸素を投与しつつ気管再建をおこなった。術中の循環動態は安定しており、十分な酸素化が保たれていた。術後は問題なく回復し、麻酔から覚醒後1ヶ月の経過観察でも副作用等は確認されなかった。 さらに5匹のイヌを使用し、Y字型の細径チューブを作成して、細径チューブの先端が左右主気管支内に位置できるようにし、上記と同様の実験をおこなった。循環動態、酸素化は同様に安定しており、さらに術中の二酸化炭素の貯留が有意差をもって少ない事を確認できた。 細径チューブでの無呼吸管理は実臨床への応用できる可能性があり、さらにY字型細径チューブを用いた無呼吸管理は、より二酸化炭素貯留が少ない優れた方法である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りY字型シリコンチューブの作成をおこない、apneic oxygenation理論に基づいた呼吸管理の実験を行なった。3-Dプリンターを用いて作成を行う予定であったが、材質・剛性の問題と、作成が可能なサイズの問題から実現が困難であったため、実験計画に記されている代用の方法を採択した。具体的にはシリコンをY字型チューブに成型して実験に使用した。 apneic oxygenation理論に基づいた呼吸管理の実験は10匹のイヌで行い、予定実験件数よりオーバーをしている。理由としては予備実験としておこなったもの2例あったこと、十分な実験データの確保のために合計10匹の実験が必要であると判断し、追加で実験を行なったためであった。
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Strategy for Future Research Activity |
Apneic oxygenation理論に基づいた呼吸管理の実験を行うこと、Y字型チューブを使用した実験を行う目標が達成できたため、同呼吸管理法が肺全摘イヌでの気道再建でも応用可能かを検証する。具体的には右管状肺全摘を行うイヌモデルにおいて、気道再建中にY字型細径チューブの先端が左上葉気管支と左下葉気管内におき、無呼吸下に高流量酸素をチューブより投与し、循環・呼吸管理が維持可能かどうか評価する。
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Causes of Carryover |
設備備品の購入代が少なかったことと、代替品の仕様、再利用が可能であったことが主な理由と考える。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度を迎えるにあたり実験自体は概ね予定どおりであり、より客観性に基づくデータ採取のための必要な物品も購入し、学会等にも積極的に発信する予定である。
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