2017 Fiscal Year Research-status Report
数値流体力学的解析とMRマクロファージイメージングによる脳動脈瘤破裂のリスク予測
Project/Area Number |
15K10297
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
金丸 和也 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (80402080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木内 博之 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (30241623)
橋本 幸治 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (10644792)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | CFD / cerebral aneurysms / macrophage |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、治療を前提として診療を開始した内頚動脈前壁動脈瘤ならびに傍床状突起部内頚動脈瘤の症例を追加して対象症例を増加させた。また、さらに対象症例を増加させ、多角的に検討を進めるために、上記動脈瘤の近傍が発生部位である内頚動脈後交通動脈分岐部動脈瘤も研究対象として研究を進めている。症例の3DDSAまたは、3DCTAを基に流体力学的解析を施行した。この際、流体力学的解析においてはWall shear stress(WSS)、血管壁圧力、圧力損失等を算出している。これらのDataが動脈瘤の種類や発生部位の違いによる相違を確認するためのデータベースを構築している。その結果、WSSは動脈瘤のいわゆるin flow zoneにおいて高値を示す傾向が認められた。そこで、さらに動脈瘤除去血管モデルも作成し、動脈瘤発生以前の母血管の部位にどのような流体力学的特徴が存在するのか検討を進めている。また、直達手術を施行した症例では、引き続き動脈瘤の安全な部位を採取し病理組織標本を作製しており、免疫染色などの手法により炎症性マーカーの評価を進めている。 現在流体力学的解析の結果と病理標本における炎症を代表とする因子との関連について検討を進めている。近年脳動脈瘤治療が直達術から血管内治療にシフトしつつあり、このため、病理組織標本数が想定ほど増加していない現状がある。統計的な検討が可能か見極めながら検討を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MRIマクロファージイメージングに用いるフェルモキシトールの入手が困難な状況があり、このイメージングが施行できていない症例が多い。このため、直達術により治療した場合には動脈瘤壁の組織標本を採取し、病理学的に炎症性変化の局在や程度をmacrophageや組織融解因子などを検出することにより評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は病理組織標本における炎症性変化と数値流体力学的解析のデータを蓄積し、その関連について定量的評価を行っていく予定である。対象症例数の増加と多角的な検討のため、対象症例の選択基準を一部変更し症例数の確保の遅れを取り戻す方策をとっている。
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Causes of Carryover |
(理由) 研究対象症例数が予定通りに集まらなかった。このため使用した薬品等の購入金額が予定より少なかったために生じた。 (使用計画) 次年度も研究対象症例を増加させる予定であり、これに必要な経費、薬品や備品の購入に充てる予定である。
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