2016 Fiscal Year Research-status Report
脳血管性認知症に対する骨髄間葉系幹細胞移植による治療効果の検討
Project/Area Number |
15K10312
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
中崎 公仁 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70722461)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 祐典 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20538136)
小野寺 理恵 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60393328)
鰐渕 昌彦 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30343388)
三上 毅 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30372816)
浪岡 隆洋 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70748996)
浪岡 愛 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60748995)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 血管性認知症 / 骨髄間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳血管性認知症の治療の原因として提唱されている脳小血管病(Cerebral small vessel disease; CSVD)を治療ターゲットとする必要がある。CSVDにおいては、ペリサイト、血管内皮細胞、アストロサイトと構成するneurovascular unit (NVU) が破綻することによって血液脳関門の機能が低下し、脳認知機能の障害が生じると考えられているが、移植された骨髄間葉系幹細胞(Mesencymal stromal stem cell, MSC)は、血管新生やリモデリング、微小血管系の構造的安定化,血流調節に関わっているために、治療効果を発揮する可能性が高い。 脳卒中易発症ラット(Stroke-prone SHR; SHRSP)は、全例が脳卒中を自然に発症する唯一のモデル動物として知られる。本モデルは症状の発現が緩徐であり、中大脳動脈閉塞モデルとは異なり、慢性期脳血流不全、多発性脳梗塞あるいは多発性脳内微小出血を呈するため、脳血管性認知症モデル動物しての使用が可能である。 本申請では、同ラットに対して、MSCの静脈内投与を行い、生理学的、行動学的、神経放射線学的(MRI)および組織学的に解析し、同細胞移植による脳血管性認知症に対する治療効果の検討を行う。 現在、本研究費によって、CSVDモデルに対するMSC移植による治療効果の免疫学的解析、遺伝学的解析を行っている。以上のように、補助金は、補助条件に従って、有効に使用されている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りに、脳血管性認知症モデルに対して、骨髄間葉系幹細胞、または、Vehcleを静脈投与、 その後、生理学的解析、認知機能評価、MRIを用いた画像解析、解剖学的、機能学的評価のための免疫染色、遺伝学的解析により、MSC移植の治療効果を評価している。特に、血管内皮細胞の抗体であるRECA-1やアストロサイトの抗体であるGFAPによる免疫染色を行っており、微少血管系の解析を行ってきている。 実験の進行状況は、おおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
脳血管性認知症モデルに対して、骨髄間葉系幹細胞、または、Vehcleを静脈投与、 その後、生理学的解析、認知機能評価、MRIを用いた画像解析、解剖学的、機能学的評価のための免疫染色、遺伝学的解析により、MSC移植の治療効果を評価していく。 また、研究結果をまとめ、論文化する予定である。
|
Causes of Carryover |
昨年度計画した実験については、順調に遂行できたが、物品を節約して行ってきた結果、次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度計画した実験を、より詳細に検討するために、昨年度の予算を使用して、実験物品の購入にあてる予定である。
|