2015 Fiscal Year Research-status Report
家族性脳動脈瘤の網羅的ゲノム解析法による感受性遺伝子の同定
Project/Area Number |
15K10316
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
糟谷 英俊 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50169455)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広田 健吾 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (10532690)
藤田 俊之 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (40718095) [Withdrawn]
恩田 英明 東京女子医科大学, 医学部, 非常勤講師 (60185692)
赤川 浩之 東京女子医科大学, 医学部, テニュアトラック准教授 (60398807)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 脳動脈瘤 / 感受性遺伝子 / レアバリアント / 次世代シーケンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は予算規模に合わせて十分な検出効果が得られるよう、網羅的解析に供する家系を厳選した。本研究では、レアバリアントが寄与する新規感受性遺伝子を特定するのが目的である。検出された候補遺伝子についてはレアバリアント関連解析によって感受性遺伝子であるか否かを検証する計画である。したがって、既知候補遺伝子が寄与する可能性のある家系についてはできるだけ排除したい。脳動脈瘤において唯一レアバリアントとの関連が示されている遺伝子としては、①TNFRSF13B遺伝子(Inoue, et al. 2007)がある。また、近年提唱されたtransitive association hypothesis(Blair, et al. 2013)によれば脳動脈瘤を高率に合併する②常染色体優性遺伝性多発嚢胞腎症の原因遺伝子PKD1、PKD2も有力な候補遺伝子である。①については、患者619例と対照498例でレアバリアント関連解析を行った結果、有意な関連が再現され論文投稿準備中である。この遺伝子にレアバリアントを有する家系は網羅的解析から除外することとした。②についても先行研究により既に関連が証明されており論文投稿中であるが、このときに確立したIon PGMシステムによるリシーケンス法により、PKD1とPKD2遺伝子に変異を有する家系も網羅的解析から除外した。このようにして得られた未知の遺伝要因によると思われる家系の中から、初年度は1家系を選定し予備実験を行った。全エクソーム解析に加え、SNPアレイによる全ゲノムSNPジェノタイピングを行い、連鎖の情報を利用して候補遺伝子変異のバリデーションを行っているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
患者対象関連解析用のDNAサンプルが順調にその数を増やしており、家系選定のための予備実験が論文作成に結びついた。また、まだ1家系のみの予備実験ではあるが、既にいくつかの有望な候補候補遺伝子変異が確認されている。今後は計画に従ってさらに別の家系のデータを積み重ねて行けば、候補がより絞り込めると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
まず、予備実験で得られた成果を論文報告する。脳動脈瘤においてレアバリアントとの関連を示す報告はほとんどなされていないため意義は高いと考えられる。 また、予備実験により全エクソームシーケンスが高い精度で行えることがわかったので、次年度以降は解析に供する家系を増やして候補の絞り込みを行って行く。そのなかでも特に有望と考えられるものについては、リシーケンスによるレアバリアント関連解析に持ち込む。
|