2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K10451
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
田仲 和宏 大分大学, 医学部, 准教授 (10274458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織田 信弥 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, 腫瘍遺伝学研究室長 (40333372)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 肉腫 / 染色体転座 / 融合遺伝子 / DNA二本鎖切断修復 |
Outline of Annual Research Achievements |
染色体転座t(11;22)はユーイング肉腫の約90%に存在し、その結果生じる融合遺伝子産物EWS-FLI1が発がんに寄与すると考えられている。疾患特異的転座は造血器腫瘍でも広く認められており、染色体転座は重要な発がんメカニズムと考えられるが、その分子機構の詳細は未だ不明である。染色体転座の発生に先立ちDNA二本鎖が切断されるが、本来細胞にはDNA二本鎖切断を正常に修復するシステムが存在する。従って、肉腫細胞において染色体転座が生じるためには、DNA二本鎖切断修復系が異常を来していると考えられ、この修復システム間の異常な不均衡の結果として転座を生じている可能性が指摘される。そこで、本研究では、DNA二本鎖切断修復システムの中核を成す相同組換え修復、非相同組換え修復およびミスマッチ修復を担う分子群の、肉腫細胞における発現および機能異常を網羅的に解析し、DNA修復不均衡の存在とその意義を明らかにすることを目的とする。H28年度においては、DNA二本鎖切断修復における相同組換え修復を担う中核因子であるRAD51の各種細胞株における発現をウエスタンブロットで確認し、さらにfocus assayのシステム構築によりRAD51の細胞内局在が評価できるシステムを確立した。さらにヒトユーイング肉腫細胞株(WE-68、SK-N-MC)におけるDNA二本鎖切断修復因子の遺伝子発現状態をAffymetrix社GeneChip Human Genome U133 Plus 2.0 Arrayを用いて網羅的に解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H28年度に予定していたDNA二本鎖切断修復因子の蛋白レベルでの発現状況の確認と、DNA二本鎖切断修復系を担う分子群の細胞内局在を検知できるシステムの構築がほぼ完了できた。
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Strategy for Future Research Activity |
H29年度には、DNA二本鎖切断修復系を担う分子群の機能異常を同定し、どの機構が破綻しているか、ユーイング肉腫細胞におけるDNA修復不均衡の存在とその意義を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
H28年度に予定していたcDNA Arrayを用いた発現解析の一部が、抽出したRNAのquality不良により延期になり、再度RNA抽出をやり直したため、次年度に解析が持ち越されたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
RNA抽出後にquality checkを行い、網羅的解析に使用可能なレベルであることを確認の上、当初予定通りのcDNA Array解析を行う。
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Research Products
(2 results)