2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a suspended synovium culture model mimicking inside of the knee joint
Project/Area Number |
15K10463
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
片野 尚子 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 助教 (50376620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関矢 一郎 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 教授 (10345291)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、変形性膝関節症、前十字靭帯損傷、半月板損傷患者の関節液中には滑膜間葉系幹細胞(滑膜幹細胞)と類似する間葉系幹細胞が、正常膝よりも多いことに着想を得た「膝関節内を模倣する浮遊滑膜幹細胞遊走モデル」を開発し、関節内組織損傷軽症例に対する薬剤の開発を目指している。本年度は、関節リウマチ(RA)の滑膜においても変形性膝関節症の滑膜と同様に本モデルでコロニー形成されるかどうか、また形成されるのであれば得られたMSCsにOAとの違いがあるかどうか、について検討した。関節リウマチ患者(n=8)と変形性膝関節症患者(n=6)の全人工膝関節置換術施行時に得られた2種の滑膜の比較では、7日間培養後、OAでは全てにコロニーが形成されたのに対し、RAではコロニー形成不良な検体も認めた。また、14日培養後の滑膜1gあたりの収量は、RA 260±200(x103)個、OA 240±70(x103)個で、両群に有意差はなかったが(p=0.95)、RA群では検体間のばらつきが大きく分散分析で有意差を認めた(p=0.02)。一方、継代増殖させた細胞は、両群とも分化誘導培地による分化は良好であり、軟骨ペレットの湿重量にも有意差はなかった(p=0.53)。さらに、表面抗原の発現も同等であった。これらの結果から、収量のばらつきが容認できる条件においては、浮遊滑膜幹細胞遊走モデルにRA滑膜を検体として用いることが可能であり、RA患者に対して関節内に滑膜由来幹細胞を誘導する薬剤開発スクリーニングとしての応用が可能であると考えられた。
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