2015 Fiscal Year Research-status Report
骨壊死に対するmiRNA導入骨髄単核球移植による骨修復促進効果
Project/Area Number |
15K10476
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山崎 琢磨 広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院(医), 寄附講座准教授 (50444683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
味八木 茂 広島大学, 病院(医), 講師 (10392490)
庄司 剛士 広島大学, 病院(医), 病院助教 (50736569)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 骨壊死 / 単核球 / miRNA / 細胞移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、大腿骨頭壊死症の患者に対し自家骨髄単核球移植を行い良好な圧潰予防効果を得てきたが、未だ長期の荷重制限を要し、また広範囲壊死例でその効果は不安定である。本研究では移植細胞による骨修復能を向上させることを目的に、miRNAを骨髄単核球に導入することによる移植細胞としての質の向上、また効果的なサイトカインやmiRNAなどを分泌するキャリアとして周辺組織の再生環境を整える効果があると仮説を立てた。初年度は 1)単核球へのmiRNA導入による遊走能およびサイトカインとmiRNAの分泌変化 2)miRNA導入骨髄単核球による骨修復の促進効果 の基礎データ取得のため実験を実施した。まず、ステロイド性骨壊死患者および非大腿骨頭壊死症患者(変形性股関節症)から採取した骨髄単核球よりRNAを精製し、miRNAの網羅的発現解析の準備を行っている。その間、基礎的なデータとして目的合成miRNAの細胞への過剰導入が、細胞および培養上清中におけるmiRNA量を導入濃度依存的に増加させることを明らかにした。さらに、遊走能を抑制することが知られているmiRNAを細胞より分泌させた培養上清は、他種細胞への添加により容易に細胞内へ取込まれ、遊走能を制御できることを示した。また、骨髄間葉系幹細胞の移植や培養上清の投与が、骨修復を促進させることを明らかにしたので、適切なmiRNAを導入した骨髄単核球移植は、細胞自身および分泌する因子によりさらなる骨修復の促進効果が得られることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
miRNA導入骨髄単核球は、新しい概念として効果的なmiRNAを分泌するキャリアとして周辺組織の再生環境を整える効果があると考え、研究計画を実施することで上記のような結果を得た。しかし、ステロイド性大腿骨頭壊死患者、また非大腿骨頭壊死症患者(変形性股関節症)から採取した単核球を用いたmiRNAの網羅的発現解析から骨髄単核球への導入候補miRNAの同定ができていないことからやや進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後まず骨髄単核球への導入候補miRNAのスクリーニングを優先的に行い、候補 miRNAをいくつか選定することで、当初の計画通りに研究を実施できると考える。
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Causes of Carryover |
本研究の第一段階である、ステロイド性大腿骨頭壊死患者および非大腿骨頭壊死症患者(変形性股関節症)から採取した単核球を用いたmiRNAの網羅的発現解析から骨髄単核球への導入候補miRNAの同定について進捗が遅れており、第二段階以降の研究費として計上した部分が未使用となっている、
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在行っているmiRNAの網羅的解析により骨髄単核球への導入候補となるmiRNAが同定された後に、1)単離骨髄単核球の細胞遊走能および低酸素培養下におけるサイトカイン分泌量の評価、2)導入miRNAによる遊走能およびサイトカイン分泌促進効果の検討の研究に着手する。これらの研究に必要となる解析費用や実験に必要な試薬などの消耗品の購入に充てる予定である。
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