2016 Fiscal Year Research-status Report
骨メカニカルストレス応答における骨細胞-破骨細胞の細胞間制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
15K10501
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
宮崎 剛 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (50376480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
時村 文秋 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (80242147)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | メカニカルストレス / unloading / p130Cas / 骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
身体組織局所に加わる物理的力刺激(メカニカルストレス)は過度でも、逆に欠失・不足しても老化・炎症の増悪因子となる。運動器、特に骨に着目すると、加齢による骨量減少に加え、これから宇宙社会を迎えるにあたり、無重力下での骨量減少が問題となってくる。骨量維持には、運動などのメカニカルストレスの重要性が経験的に知られているが、その詳細なメカニズムは明らかにされていない。我々は、骨細胞におけるメカノセンサー分子と思われるp130Casの役割に注目し、骨細胞特異的p130Casノックアウトマウスを作製したところ、このマウスが有意な骨量低下を示した。本研究では、[メカニカルストレス]-[メカノセンサーp130Cas]-[骨代謝]の関連について、in vivo実験・in vitro実験の両面から詳細なメカニズムを検討する。 in vivoでの解析を行うために、骨細胞特異的p130Casノックアウト(Cas cKO)マウスを作製した。Cas cKOマウスとそのコントロールとして使用するマウス(Casflox/flox)の右下肢の坐骨神経・大腿神経切離を行い、片方の下肢のみに力学的負荷のかからないunloadingの状態をつくりだしたところ、2週間のunloadingが最も有効だという結果をふまえ、それらマウスのレントゲン撮影、CTスキャンにて骨量の変化を評価する。また、その骨組織の標本を作製し、骨形態計測などを行い、骨組織におけるは骨形成パラメーター、骨吸収パラメーターなどを含め解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨細胞特異的p130Casノックアウト(Cas cKO)マウスとそのコントロールマウス(Casflox/flox)に対して、右下肢の坐骨神経・大腿神経切離を行い、片方の下肢のみに力学的負荷のかからないunloadingの状態を2週間つくりだした後、それらマウスのレントゲン撮影、CTスキャンにて骨量の変化を評価した。Cas cKOマウスでも、2週間のunloadingにより、レントゲン検査・マイクロCT検査により、皮質骨・海綿骨ともに骨量の減少が見られた。
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Strategy for Future Research Activity |
2週間unloadingしたCas cKOマウスから大腿骨・脛骨を取り出し、骨組織の標本を作製し、骨形態計測などを行い、骨組織におけるは骨形成パラメーター、骨吸収パラメーターなどを含め解析する。レントゲン撮影、CTスキャンにて骨量がCas cKOマウスでも減少していたが、それが骨形成の減少によるものか、骨吸収の増強によるものか、明らかにしていきたいと考える。統計学的評価を行うために、n数も増やす予定である。
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Causes of Carryover |
実験計画が順調に進んでおり、不必要な研究費の支出を必要としなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
骨携帯計測、骨のCT解析などについては、外部委託にて評価するため、その実験費用に使用する予定。また、本研究を今年度まとめて発表予定であるため、海外での成果発表・論文校正・論文投稿などに支出予定。
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