microRNAによる急性腎障害発症機序の解明と、早期診断バイオマーカーへの応用

2015 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 15K10542
• Research Institution: Kyoto Prefectural University of Medicine
• Principal Investigator: 影山 京子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (80347468)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 棚橋 俊仁 神戸薬科大学, 薬学部, 准教授 (30380067) ; 徳平 夏子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60597227) ; 中嶋 康文 関西医科大学, 医学部, 教授 (70326239) ; 中山 力恒 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90568198)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2018-03-31
• Keywords: micro RNA / 急性腎傷害

Outline of Annual Research Achievements

本年度は、心臓血管手術のうち、近年盛んである、胸部及び腹部ステントグラフト手術患者を対象として、術後急性腎不全を発症した患者の尿中microRNAの網羅的解析を行うことを目標に研究を進めた。具体的には、それらの手術をうけ、術後急性腎障害を発症した患者及び発症しなかった患者（もしくは正常健康人）の麻酔導入後の尿及び手術終了時の尿を超遠心し、エクソソームをペレット化し、、miRNAの分離・濃縮を行った。その後、バイオアナライザーを用いて、サンプルからmiRNA群が抽出されていることを確認後、small RNAのライブラリ作成（Ion total RNA-seq kitを用いたフラグメント化）し、cDNAに変換を行った。さらにエマルジョンPCR法を用いて、cDNAを増幅させ、シーケンシングに持ち込んだ。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

超遠心よりペレットを分離する際に、ペレットをlossしてしまいやすく、microRNAの抽出が困難な場合が存在していることが大きな原因と考えられる。

Strategy for Future Research Activity

現段階で有意なmicroRNAは認めていないが、サンプル抽出を継続していく予定である。また、ペレットロスに関しては、スイング式の超遠心が利用できないため、キットを用いた方法も検討していく。

Causes of Carryover

micro RNA抽出の段階で、抽出困難な場合があったため、（シーケンスに持ち込む濃度に足りないなど）、最も費用がかかるシーケンサー起動及び半導体チップの使用回数が予定より少なかったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

抽出法の再検討を行い、シーケンス可能な良質なサンプル精製ができるように尽力し、可能な限り、シーケンスができるように尽力する。シーケンスに必要な半導体チップや試薬、また、エマルジョンＰＣＲに関わる試薬も大変高価であり、その費用に充てる計画である。