2016 Fiscal Year Research-status Report
GGCTを標的とした低分子阻害物質による泌尿器癌治療の開発
Project/Area Number |
15K10584
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
影山 進 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (50378452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 圭司 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (30640148)
花田 英紀 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40555067)
吉田 哲也 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (60510310)
平竹 潤 京都大学, 化学研究所, 教授 (80199075) [Withdrawn]
吉貴 達寛 滋賀医科大学, 医学部, 客員教授 (80230704)
河内 明宏 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90240952)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | γ-グルタミルシクロトランスフェラーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
GGCT阻害リード化合物誘導体の作製: H27年度においてGGCTの酵素活性を強く阻害する分子として,自グループで作製した40種超の候補分子群から,最も阻害効果の強い分子としてN-glutaryl-L-alanine(GA)を選抜した(Ii, et al. Chem Parm Bull, 2016; Yoshiya et al, J Peptide Sci, 2017).今年度からは,このGAを用いて典型的GGCT高発現細胞である乳癌細胞株MCF7を試料とした検討を行った.MCF7ホモジネートへのGA(0.1mM)添加では十分なGGCT阻害を得たが,細胞破壊前にGA(0.5mM)を培地に添加した場合のホモジネートでは全く阻害効果を得られなかった.すなわち,GAの細胞内到達性がきわめて低いことが明らかとなった. そこで,細胞膜透過性を高める目的で,分子にエステル基を付加した誘導体を各種作製した.また,蛍光標識もGAに行い,細胞内への到達の有無を可視化した.すると,GAにメチル基およびアセトキシメチル基を付加したジエステル体が最も効率よく細胞内に到達することが判明した.この分子は細胞内エステラーゼにより,両エステル基が加水分解を受け,GAとなる.よってこの分子をGAのプロドラッグ,pro-GAと命名した. Pro-GAを用いて,MCF7をはじめとする各種癌細胞株で明らかな殺細胞効果を認め,GGCTを標的とした新規抗がん剤としての基本分子が完成したものと考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GGCTを標的とした分子標的抗癌剤の基本分子が得られたため.
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Strategy for Future Research Activity |
In vitroレベルでは正常組織由来初代継代細胞を試料とし,正常細胞における傷害性を確認する.In vivoにおいては担癌マウスを用いて抗腫瘍効果を検討するとともに,血液毒性,肝腎毒性など安全性の検討も重ねる.
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Causes of Carryover |
今年度はほぼ計画通りの研究遂行が得られ,使用額もほとんど予定通りであり,残額は適正範囲内であると考える.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残額については次年度の使用分として必要であり,最終年度においては予定配分額のすべての適正使用を見込んでいる.
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