2015 Fiscal Year Research-status Report
癌増悪因子:CD147 Emmprinを標的とした新規の抗癌免疫療法の基盤の確立
Project/Area Number |
15K10590
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小林 泰之 岡山大学, 大学病院, 講師 (50366027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄 鵬 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00610841)
渡部 昌実 岡山大学, 大学病院, 教授 (70444677)
植木 英雄 岡山大学, 医学部, 技術専門職員 (90537218)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 腫瘍学 / CD147 / 抗体 / Emmprin |
Outline of Annual Research Achievements |
泌尿器科領域においては、現在、癌ワクチン効果を期待した種々の癌治療薬の開発が進められている。我々によって新規の癌免疫療法「癌治療遺伝子REIC/Dkk-3を用いた前立腺癌に対するin-situ遺伝子治療」の臨床研究が実施され、PSA低下を伴う抗腫瘍効果および自己癌ワクチン化作用が誘導されることが実証されている。しかしながら、抗癌免疫の主体となる樹状細胞(DC)の分化過程で、どのように癌抗原提示能が確立されていくのか、その分子機構の多くは未だ解明されていない。本研究では、独自に開発した癌抗原CD147に対する抗癌免疫活性化治療薬としてのCD147-REIC or cytokine融合タンパク質群を用いて、樹状細胞分化の際のどのような細胞内シグナルが癌抗原クロスプレゼンテーション機構の構築に関与するかを明らかにし、樹状細胞の癌抗原提示能を確立させる分子基盤を解明する。さらに、樹状細胞分化・CD147癌抗原に対する提示能獲得の最適化の観点から、難治性尿路性器癌に対する新規の癌ワクチン創薬につなげることを目的としている。本研究で中心的役割を果たすCD147 癌抗原-各種サイトカインの融合タンパク質群については、in vivoでの先行実験により、既に有効性が実証されている。ヒトCD147癌抗原タンパク質を発現するMBT2 マウス膀胱癌細胞を移植した担癌マウスモデルでの治療実験では、ヒトCD147癌抗原-mGMCSF、-hIL2、-mIL4、-hIL7の4種の融合タンパク質を用いた抗癌免疫治療により、標的としたCD147癌抗原を発現する腫瘍に特異的な、顕著な治療効果が確認されている。そこで本年度は、まず液性免疫の観点から、坑CD147特異的免疫活性化の機序を解明する為にマウス血清における当該タンパク質の抗体価のアッセイ系を立ち上げる研究を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗CD147特異的免疫活性化の機序を解明するためのIn vivoモデルが確立しつつあり、研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に引き続き、CD147癌免疫を確立させる分子基盤を解明する為に、CD147癌抗原融合タンパク質をベースにしたIn vivo治療実験を行う。また、当該治療実験におけるCD147抗体価アッセイ法を確立する。
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Causes of Carryover |
予定していたより節約することができたため未使用分が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度の未使用額をH28年度支払い請求分にあてがい、研究計画に基づき有効に適正に使用する。
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