2015 Fiscal Year Research-status Report
前立腺癌患者における循環血中癌細胞の特性解析と癌転移動態の分析
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15K10608
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
桶川 隆嗣 杏林大学, 医学部, 教授 (70306679)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 去勢抵抗性前立腺癌 / 末梢循環癌細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
末梢循環癌細胞 (circulating tumor cell:CTC)のandrogen-receptor splice variant (ARV)7はアビラテロンまたはエンザルタミドの治療効果を予測かを検討した。CRPCと診断されてドセタキセル治療前の患者60例(アビラテロン:38例、エンザルタミド22例)を対象にセルソーターシステムによりCTCを抽出しPCR法にてAR-V7発現を検討した。1.アビラテロン治療前ではCTC―ARV7は12/38(31.7%)陽性でPSA奏功率(PSA50%以上低下)はCTC―ARV7陽性で16.7%(2/12)で陰性で94.1%(16/17)であった。エンザルタミド治療前ではCTC―ARV7は36.4%(8/22)陽性でPSA奏功率はCTC―ARV7陽性で12.5%(1/8)で陰性で90.9%(10/11)であった。PSA再発を予測する因子は多変量解析でCTC―ARV7(p<0.001)とAFP(p=0.023)であった。2. アビラテロン治療群で治療3ヶ月後、陽性が持続した症例は10例でPSA奏功は認めなかった。CTC―ARV7陽性から陰性になった2例でPSA奏功を認めた。CTC―ARV7陰性から陽性になった9例でPSA奏功率22.2%(2/9)であった。CTC―ARV7陰性が継続した症例は12例でPSA奏功率100%であった。3.エンザルタミド治療群で治療3ヶ月後、陽性が持続した症例は7例でPSA奏功は認めなかった。CTC―ARV7陽性から陰性になった症例は1例でPSA奏功を認めた。CTC―ARV7陰性から陽性になった症例は3例でPSA奏功率33.3% (1/3)であった。CTC―ARV7陰性が継続した症例は11例でPSA奏功率100%であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
患者登録が予定よりやや遅れている。 特に化学療法後の患者登録が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
CRPCと診断されてドセタキセル治療後の患者を対象にセルソーターシステムによりCTCを抽出しPCR法にてAR-V7発現を検討する。治療開始前、治療後3-6ヶ月ごとおよび治療変更時にCTCのAR-V7発現(CTC―ARV7)を検討する。ドセタキセル治療後のCRPC治療におけるCTC―ARV7の検出は治療効果判定に有用であるかを検討する。現在、より多くの症例で検討する予定である。 患者登録には当院関連施設より登録をし、予定の患者数(30例以上)での解析を行う。
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Causes of Carryover |
当研究のための患者登録数が予想を下回ったため検体処理等にかかる費用が少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度はより多くの患者登録ができるよう関連施設からの登録を行うこととした。 次年度使用額は、5施設から登録を行うため検体の郵送費に使用する。また検体登録が増えることが見込まれるため検体処理費に使用する。
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Research Products
(3 results)