2016 Fiscal Year Research-status Report
前立腺癌患者における循環血中癌細胞の特性解析と癌転移動態の分析
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15K10608
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
桶川 隆嗣 杏林大学, 医学部, 教授 (70306679)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 去勢抵抗性前立腺癌 / 末梢循環癌細胞 / EGFR / AR-V7 |
Outline of Annual Research Achievements |
A. ドセタキセル治療前の去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)においてセルソーターシステムにより末梢循環癌細胞(CTC)およびCTC-EGFRの発現を検討した。ドセタキセル治療前の60例を登録できた。CTC-EGFR発現例の平均生存期間は5.5ヶ月で発現ない例のの平均生存期間は20.0ヶ月であった(p<0.001)。生存率を予測する因子は多変量解析でCTC-EGFR-と alkaline phosphatase (ALP) であった(p = 0.002, p<0.001, and p=0.017, respectively)。 B. アビラテロンおよびエンザルタミド投与前のCRPCにおいてCTC-clusterを抽出しPCR法にてandrogen receptor splice variant 7 (AR-V7)発現を検討した。1.アビラテロン治療前ではAR-V7は20/64(31.3%)陽性でPSA奏功率(PSA50%以上低下)はAR-V7陽性で0%(0/20)で陰性で79.5%(35/44)であった。エンザルタミド治療前ではAR-V7は18.8%(6/32)陽性でPSA奏功率はAR-V7陽性で16.7%(1/6)で陰性で76.9%(20/26)であった。PSA再発を予測する因子は多変量解析でCTC-cluster-AR-V7 (p<0.001)とAFP (p=0.023)であった。2. アビラテロン治療群で治療3ヶ月後、陽性が持続した症例は18例でPSA奏功は認めなかった。AR-V7陽性から陰性になった2例でPSA奏功を認めた。AR-V7陰性から陽性になった9例でPSA奏功率22.2%(2/9)であった。AR-V7陰性が継続した症例は35例でPSA奏功率100%であった。3.エンザルタミド治療群で治療3ヶ月後、陽性が持続した症例は5例でPSA奏功は認めなかった。AR-V7陽性から陰性になった症例は1例でPSA奏功を認めた。AR-V7陰性から陽性になった症例は3例でPSA奏功率33.3% (1/3)であった。AR-V7陰性が継続した症例は23例でPSA奏功率100%であった。CRPC治療におけるCTC-clusterにおけるAR-V7の検出になる治療効果判定に有用であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
化学療法前の患者さんの登録は進展しているが、化学療法後の追跡調査不能な患者さんにより予定より約10名少ない状態(エンザルタミド治療)となり検査ができなくなった。解析に必要な患者さん登録を推進中である。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 化学療法前で登録できた症例において定期的なCTC-clusterを抽出しPCR法にてAR-V7発現を検討する。 2. PCR チューブに回収した単一細胞のゲノム DNA の配列解析を行うために、全ゲノム増幅キットを用いて全ゲノム DNA の増幅を行う。アガロースゲル電気泳動により全ゲノム増幅の成功を確認した後、~100 ng の全ゲノム増幅産物を鋳型としてサンガーシーケンシング法により遺伝子解析(BRCA1/2、PTEN、TEMPRESS-ETS、KLK3、KLK2、HOXB13、GRHL2、FOXA1)を行い臨床学的治療効果との関連性を検討する。
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Causes of Carryover |
化学療法前で登録できた患者さんのうち10名が化学療法中及び後の追跡調査不能になった。この登録分におけるCTC, CTC-Cluster, CTC-ClusterのAR-V7検査の費用が未使用となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1. 予定より10名少ないため登録を行う。治療前と治療後の定期的なCTC、CTC-clusterを抽出しPCR法にてAR-V7発現を検討する。既存のAdana testとの比較を行い検討するための費用として使用する。 2. 回収できた単一細胞の全ゲノム増幅キットを用いて全ゲノム DNA の増幅を行う。主にBRCA1/2、PTEN、TEMPRESS-ETS、KLK3、KLK2、HOXB13、GRHL2、FOXA1を行い臨床学的治療効果との関連性を検討するための費用として使用する。
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Research Products
(2 results)