2018 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular analysis in the functional recovery of hypocompliant defunctionalized bladder due to long-term dialysis using a rabbit model of urinary diversion
Project/Area Number |
15K10617
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
井上 高光 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (60375243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河谷 正仁 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (00177700)
西島 和俊 秋田大学, バイオサイエンス教育・研究サポートセンター, 准教授 (70435874)
齋藤 満 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (80400505)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 膀胱 / 廃用性萎縮 / 機能回復 / 尿路変更 / 遺伝子発現 / 腎移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
長期透析による乏尿は透析期間に応じて膀胱容量およびコンプライアンスを廃用性に減少させ、腎移植後に尿が流入すると膀胱機能は回復する。また小児における尿道や尿管狭窄に伴う高位の尿路変更や膀胱皮膚瘻においても、廃用性萎縮膀胱は認められる。我々はウサギモデルを用いて廃用性萎縮膀胱モデルを作成し、また腎移植臨床患者における長期透析後の膀胱組織を採取し、上記現象の分子生物学的な背景を探った。 ウサギモデルにおいて両側尿管を膣に植え替えて廃用性萎縮膀胱を作成し、次いで片側尿管を萎縮膀胱へ再吻合し膀胱機能の回復を観察できた。ウロダイナミクス検査で膀胱容量、コンプライアンスの有意な低下および回復が確認できた。また萎縮と機能回復において膀胱重量は萎縮時に減少するものの膀胱壁厚は変化せず、膀胱間質線維化の有意な増生を観察した。 遺伝子発現は、UPK1BおよびCST6の発現量の有意な減少が、ウサギ膀胱DNAマイクロアレイ、ウサギ萎縮膀胱筋層RT-PCR、ヒト萎縮膀胱筋層RT-PCRで一致して観察された。UPK1B, CST6, PIEZO2の遺伝子発現量の有意な減少は、ウサギ膀胱DNAマイクロアレイ、ウサギ萎縮膀胱粘膜RT-PCR、ヒト萎縮膀胱粘膜のRT-PCRで一致して観察された。AGTR2の遺伝子発現量の有意な減少は、ウサギ膀胱回復時の筋層RT-PCRおよび回復時のウサギ筋層DNAマイクロアレイで一致して観察された。 本研究の結果は、長期透析や尿路変更に伴う廃用性萎縮膀胱の形成過程および尿流の回復に伴う膀胱機能の回復過程において膀胱筋層および粘膜における遺伝子発現変化を観察した初めての研究である。これらの遺伝子発現の変化から、今後、神経因性膀胱などに伴う萎縮膀胱やその回復をモニターするバイオマーカーや膀胱再生医療につながる可能性がある。
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