2016 Fiscal Year Research-status Report
喘息気道炎症の嗅粘膜分泌異常への関与―気道リモデリングの嗅粘膜機能障害の解明―
Project/Area Number |
15K10790
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
春名 眞一 獨協医科大学, 医学部, 教授 (60198934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深美 悟 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (00311944)
吉田 拓人 獨協医科大学, 医学部, 講師 (80328369) [Withdrawn]
金谷 洋明 獨協医科大学, 医学部, 講師 (40265301)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | 好酸球 / 嗅覚障害 / 嗅粘膜 / NO / ボーマン腺 / 分泌過多 / 喘息 |
Outline of Annual Research Achievements |
好酸球炎症では呼吸粘膜とともに嗅粘膜においても気道リモデリングを形成し、嗅粘膜の剥奪・繊維化による線毛機能障害と過剰分泌病態を引き起こし、嗅粘膜のターンオーバーを障害し,臭い分子の接着・認知異常を引き起こしていることが予期される。本研究では人および動物の気道リモデリング状態での呼吸粘膜と嗅粘膜障害を観察し、上皮剥奪・繊維化と分泌機能に関与するペリアクチン、ペンドリン、NOとステロイド抵抗因子アンヒィレグリンをin vivo とin vitroで組織生化学的に検討する。また嗅粘膜上皮を細胞培養し、単離末梢好酸球を添付し糖蛋白分布とNO合成能を把握し、嗅粘膜の再生能力を観察する。以上の結果から上下気道の好酸球性炎症により、呼吸粘膜とともに嗅粘膜にも再生能力異常を呈し、かつステロイド不耐性であることが、好酸球性副鼻腔炎の嗅覚障害の原因であることを解明する。今年度の研究では、嗅覚障害を伴った好酸球性副鼻腔炎に対して、呼吸粘膜と嗅粘膜障害の治療前後における粘膜機能の変化と改善不良因子について、上気道のみならず下気道好酸球性炎症とも関連づけて検討した。28年度の研究実績で以下の結果を得た。嗅粘膜のボーマン腺からの分泌過多および糖蛋白の変化をきたし、気道リモデリング時の呼吸粘膜と嗅粘膜上においてNO産生が亢進している。ペリアクチンとペンドリンの関与による嗅粘膜でのリモデリングを証明した。 今後、マウス気道リモデリング時の呼吸粘膜と嗅粘膜組織を採取し、ボーマン腺からの分泌過多および糖蛋白の変化をきたしていること、NO産生が亢進していること、ペリアクチンとペンドリンによる嗅粘膜でのリモデリングを証明できていることを検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
28年度では人組織採取し、障害時と修復時のMPO、ペリアクチン、ペンドリン嗅粘膜のMPO,DCX, NO,糖蛋白対比NOS、レクチン、EG2の嗅粘膜分布などの組織科学研究を行い、嗅粘膜のボーマン腺からの分泌過多および糖蛋白の変化をきたしていることを証明した。しかし、嗅粘膜の採取は少量で、まだ十分に確定できるまでの組織採取ができていない。 また動物実験にて好酸球炎症時から嗅粘膜改善時における組織学的な再生状態を検討する目的であるが、マウス気道リモデリングモデルの確立が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、人およびマウス気道リモデリング時の呼吸粘膜と嗅粘膜組織を採取し、ボーマン腺からの分泌過多および糖蛋白の変化をきたしていること、NO産生が亢進していること、ペリアクチンとペンドリンによる嗅粘膜でのリモデリングを証明できていることを検討する。 さらに、嗅粘膜細胞培養を作製し、単離末梢好酸球を添付し糖蛋白分布とNO合成能の変化を把握し、嗅粘膜の修復能力を検討することと、呼吸粘膜と嗅粘膜上でのステロイド抵抗因子についてAmphiregulinの存在を比較を行いたい。
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Causes of Carryover |
物品費で使用予定内容から、端数が生じた
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に足して物品費として使用予定である
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