2017 Fiscal Year Annual Research Report
Activation and inhibition of epidermal growth factor receptor by laminin gamma2 chain
Project/Area Number |
15K10811
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
倉富 勇一郎 佐賀大学, 医学部, 教授 (30225247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 慎太郎 佐賀大学, 医学部, 講師 (50304910) [Withdrawn]
門司 幹男 佐賀大学, 医学部, 助教 (90380782)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 上皮成長因子受容体 / 舌癌 / 頭頸部癌 / 分子標的薬 / 抗体依存性細胞障害活性 / ラミニン |
Outline of Annual Research Achievements |
佐賀大学医学部附属病院において手術切除した舌癌組織標本を用いて、上皮成長因子受容体(EGFR)の発現およびリン酸化に関する 免疫組織化学的検討を行ったが、舌癌の増殖・浸潤様式(胞巣状増殖と分散性浸潤)と関連するような免疫染色結果は得られなかった。 培養細胞を用いた in vitro 実験系での研究は、抗体やサンプルを保存していた冷凍庫・冷蔵庫や炭酸ガス培養器が経年劣化のために故障が相次ぎ、実験を順調に行うことができなかった。こうした状況の中で、培養細胞におけるEGFRやそのリン酸化について研究を継続したが、期待された結果を得ることができなかった。 一方、医学部附属病院における頭頸部癌の治療において、EGFRに対する分子標的薬セツキシマブについていくつかの興味深い結果が得られた。1)頭頸部癌患者の中にセツキシマブに対する高感受性を示す患者が10-20%程度みられること。2)セツキシマブ高感受性患者では、セツキシマブによる縮小効果が初回投与後、数日以内という早期にみられることがあること。3)この早期の縮小はEGFRの活性阻害ではなく、セツキシマブにより誘導される抗体依存性細胞障害活性(ADCC)によると考えられること。4)頭頸部癌患者が有するADCC活性を血液サンプルを用いて測定すれば、セツキシマブ感受性を予測できるバイオマーカーに発展できる可能性があること、などである。 以上の研究成果を、今後は舌癌のみならず頭頸部扁平上皮癌患者の癌組織におけるEGFRの発現、患者のADCC活性、セツキシマブによる腫瘍縮小効果の関連についての研究につなげたいと考えている。
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Research Products
(13 results)