2015 Fiscal Year Research-status Report
全レセプトデータの眼科領域での活用基盤整備と糖尿病眼合併症研究への活用
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15K10839
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田村 寛 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40418760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 知宏 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10304156)
加藤 源太 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20571277)
後藤 励 京都大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (10411836)
岡本 和也 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60565018)
浦西 友樹 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00533738)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | レセプト / サンプリングデータセット / 糖尿病 / 眼合併症 |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究は、国が集積している全レセプトデータであるナショナル・データ・ベース(NDB)を用いた実臨床データ解析を行うものであり、眼科領域のリサーチクエスチョンにこたえる日本における全実診療行為を対象として研究のための基盤を作ることをめざしたものである。今年度は計画に従って以下の研究を行った。 サンプリングデータセットを用い、糖尿病患者を傷病名コードや服薬内容等から抽出し、それら患者における眼底検査(「精密眼底(片)160081010」や「精密眼底(両)160081130」等)の受診動向を、関連する診療行為コードの出現頻度により確認し学会にて報告した(平木ら、日本レーザー医学会)。レセプト病名対策については、未コード化傷病名削減に関する報告を日本診療情報管理学会学術大会で行った(武本ら、日本診療情報管理学会学術大会)。 米国で先行して同様にレセプトデータを使った研究を行っている研究者と協力して、医師の偏在に関する研究を行い報告した(Sakai R. Human Resources for Health 2015) レセプト研究で先行する韓国や台湾の事例を検討し、レセプトを用いた臨床研究のうちバリデーションに関する研究についてシステマティックレビューを行い、論文化を進めているところである。 民間提供のレセプトデータを用いた眼科研究も着実に進め、その成果については、2016年5月の抗加齢医学会総会で発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サンプリングデータセットを用い、糖尿病患者を傷病名コードや服薬内容等から抽出し、それら患者における眼底検査(「精密眼底(片)160081010」や「精密眼底(両)160081130」等)の受診動向を、関連する診療行為コードの出現頻度により確認し学会にて報告した(平木ら、日本レーザー医学会)。 米国で先行して同様にレセプトデータを使った研究を行っている研究者と協力して、医師の偏在に関する研究を行い報告した(Sakai R. Human Resources for Health 2015) 本研究で目指している目標の一つである経済評価に関しても加齢黄斑変性診療の費用対効果に関する報告を行った(Tamura H, Plos One 2015)。また、費用対効果研究のベースとなる視覚障害とQuality of Lifeの相関関係に関する報告も行った(Kawashima M, Jpn J Opthalmol 2016)。その他にも糖尿病黄斑症と障害の質が似た加齢黄斑変性について、複数の報告を行った(Oishi A, Am J Ophthalmol 2015, Kuroda Y, Ophthalmol 2015, Miyake M, IOVS 2015, Kuroda Y, Am J Ophthalmol 2015, Miyake M, Sci Rep 2015, Miyake M, Am J Ophthalmol 2016)。
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Strategy for Future Research Activity |
眼科研究向けロジックの構築をすすめる。民間提供のレセプトデータなどでの研究経験も活用し、NDBレセプトデータの眼科研究向けロジックを構築する際の問題点を整理する。さらにここで得られたロジック実装も目指す。まずは、データベースの構築を行い、糖尿病眼合併症における診療として蓋然性の高い診療行為による絞り込みなどの手法を開発する。 それにより、糖尿病眼合併症評価のロジックを確定させるべく、実臨床に沿った研究ロジックを意識したものにする。 こうして得られたデータ解析もすすめる。米国の公衆衛生大学院で疫学修士を修めた代表者が中心となり解析を進める。高度な統計学的検討では高度な疫学や統計学の知識が求められ困難も予想されるが、代表者が在籍したハーバード大学公衆衛生大学院の疫学講座とは指導教員だったクック教授をはじめとして、複数の研究者と関係が深く適切な助言が得られる予定である。これらの成果は研究の途中でも随時進捗を見ながら公表を実現する予定である。
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Causes of Carryover |
共同研究者が学会出張旅費を自身の研究費から優先的に支弁したため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度の旅費で使用予定
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Detection of Myopic Choroidal Neovascularization Using Optical Coherence Tomography Angiography.2016
Author(s)
Miyata M, Ooto S, Hata M, Yamashiro K, Tamura H, Akagi-Kurashige Y, Nakanishi H, Ueda-Arakawa N, Takahashi A, Kuroda Y, Wakazono T, Yoshikawa M, Yoshimura N.
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Journal Title
Am J Ophthalmol.
Volume: 165
Pages: 108-14
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Pachychoroid neovasculopathy and age-related macular degeneration.2015
Author(s)
Miyake M, Ooto S, Yamashiro K, Takahashi A, Yoshikawa M, Akagi-Kurashige Y, Ueda-Arakawa N, Oishi A, Nakanishi H, Tamura H, Tsujikawa A, Yoshimura N.
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Journal Title
Sci Rep.
Volume: 6
Pages: 16204
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] The Contribution of Genetic Architecture to the 10-Year Incidence of Age-Related Macular Degeneration in the Fellow Eye.2015
Author(s)
Miyake M, Yamashiro K, Tamura H, Kumagai K, Saito M, Sugahara-Kuroda M, Yoshikawa M, Oishi M, Akagi-Kurashige Y, Nakata I, Nakanishi H, Gotoh N, Oishi A, Matsuda F, Yamada R, Khor CC, Kurimoto Y, Sekiryu T, Tsujikawa A, Yoshimura N.
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Journal Title
Invest Ophthalmol Vis Sci.
Volume: 56
Pages: 5353-5361
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] One-year result of aflibercept treatment in age-related macular degeneration and predictive factors for visual outcome.2015
Author(s)
Oishi A, Tsujikawa A, Yamashiro K, Ooto S, Tamura H, Nakanishi H, Ueda-Arakawa N, Miyake M, Akagi-Kurashige Y, Hata M, Yoshikawa M, Kuroda Y, Takahashi A, Yoshimura N.
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Journal Title
Am J Ophthalmol.
Volume: 159
Pages: 853-60
DOI
Peer Reviewed
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