2017 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の視機能がQOLに及ぼす影響と加齢黄斑変性の病態解明
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15K10843
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
緒方 奈保子 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60204062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 哲生 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (00364068)
車谷 典男 奈良県立医科大学, 医学部, 副学長 (10124877)
山下 真理子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (10645659)
西 智 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (70571214)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 加齢黄斑変性 / 白内障 / 白内障手術 / 認知症 / 概日リズム / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.藤原京スタディにおいて白内障手術が認知症に及ぼす影響 参加者2764名(平均年齢76.3歳)を対象として、白内障手術既往群668名と非手術群2096名の2群間の認知機能(Mini-Mental State Examination)を評価した。視力を含む交絡因子を調整した多変量ロジスティック回帰分析で白内障手術群は非手術群と比較して軽度認知機能障害(mild cognitive impairment)が有意に少なかった(OR = 0.79, 95% CI 0.64, 0.97)が、認知症とは有意な関連を認めなかった。視力と独立して白内障手術が軽度認知機能障害と関連することが明らかとなった。白内障手術後は、眼内に入る光量、つまり概日リズムに司るブルーライトの光量が増加し、白内障で障害されていた概日リズムが改善し、軽度認知機能障害の防止につながると推測された。
2. 加齢黄斑変性(AMD)におけるVWF 止血因子であるvon Willebrand因子(VWF)はマルチマー構造を形成する高分子量の糖蛋白質である。主に血管内皮細胞により産生され、血漿中に分泌される。未治療の滲出型AMD群114例(男性82例、女性32例、平均年齢77歳)と年齢をmatchさせたコントロール群105例。両群において血漿VWF抗原量測定、VWFマルチマー解析を行った。血漿VWF抗原量はAMD群164(120 - 215)%、コントロール群128(108 - 165)%とAMD群で有意に上昇していた(p<0.001)。VWFマルチマー解析で は、コントロール群でのUL-VWFM検出例は認めなかったが、AMD群で31例にUL-VWFMを検出した。滲出型AMDの病態にVWFが関与しており、UL-VWFMの存在がAMDの進展、重症化に関わっていることが予想された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
藤原京EYEスタディ調査の解析が進んでいる。 実験研究が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 藤原京スタディにおいて、白内障手術がうつ、睡眠に及ぼす影響を解析する 2.滲出型加齢黄斑変性(AMD)患者で止血因子であるvon Willebrand因子(VWF)が血漿中で上昇している。治療により抗VEGF硝子体注射による血漿VWF抗原量の変動を検討する。
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Causes of Carryover |
高齢者を対象とした健康調査 (愛称・藤原京スタディ)」の検診結果の解析に予定以上の時間を要しているため、今年度末までに論文・学会発表準備が完了せず、それに関わる費用を計上しなかった。次年度は、検診結果の解析のためのスタッフ謝金と、成果発表の為の国内外の学会参加費用を支出する予定である。
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Research Products
(43 results)