2016 Fiscal Year Research-status Report
Neurovascular Unitに着目したくも膜下出血の全身管理と病態の解明
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15K10966
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武藤 達士 東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (80462472)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | くも膜下出血 / 微小脳循環 / 脳血管攣縮 / 遅発性脳虚血 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、脳局所の微小循環障害(Neuro-Vascular Unit dysfunction)に着目し、くも膜下出血(subarachnoid hemorrhage; SAH)の疾患モデル動物に対する生体イメージングの導入を行い、DCIの病態解明と治療法の洗練化を目的としている。最終的に、これらの基礎研究の結果を踏まえた新たな治療プロトコールを開発し、速やかに臨床の場にフィードバックすることで、くも膜下出血患者の予後改善と治療費の軽減につなげることを目標としている。 研究期間は4年間を予定しており、2年目に相当する当該年度は、実験3.「血管の標識による微小血管構造の可視化とHyperdynamic療法の治療効果の計測」ならびに実験5.「各種薬物の前投与を組み合わせた治療効果の比較」を行った。尚、当初予定していた、実験4.「遺伝子改変マウスによる微小循環障害の可視化と治療効果の計測」は使用するマウスの手配と飼育場所の確保が困難である理由から、当該年度における実験の施行は見送ることとした。 結果として、SAHマウスによる大脳皮質一次運動野近傍の脳表から500μmレベルまでの細動脈の血球標識、血管径の測定を行い、陽性変力作用を有する強心薬であるドブタミン、ミルリノンの持続投与時の微小血管障害部位での血球動態の改善機序の一部につき、心機能との相関から明らかにすることが出来た。来年度は、新規治療の可能性として抗血小板薬、抗けいれん薬の複合投与のタイミング・期間について検証していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目に相当する当該年度は、実験3.「血管の標識による微小血管構造の可視化とHyperdynamic療法の治療効果の計測」ならびに実験4.「遺伝子改変マウスによる微小循環障害の可視化と治療効果の計測」の一部まで実行できた。尚、当初予定していた、遺伝子改変マウスであるが、使用するマウス系統の手配と飼育場所の確保が困難である理由から、当該年度の実験は見送ることになった。実験4の「治療効果の計測」については、強心薬であるドブタミンおよびミルリノンの微小血管障害部位での治療効果を、2光子顕微鏡を用いて評価することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目以降、実験5.「各種薬物の前投与を組み合わせた治療効果の比較」としてのSAH患者における、各種薬剤の前投与を組み合わせたプロトコールを作成する。既存のHyperdynamic療法との治療効果の比較対照研究まで進めていきたい。
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