2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K11087
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
尾曲 大輔 日本大学, 歯学部, 助教 (10608699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 正岳 日本大学, 歯学部, 教授 (10231896)
勝呂 尚 日本大学, 歯学部, 講師 (90318452)
五條堀 孝廣 日本大学, 歯学部, 助教 (10755573)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 免疫 / 感染 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
電解酸性機能水 (FW) の創傷治癒促進効果についてさらなるメカニズムを解明するため,W を口腔上皮細胞 (HSC-3, Ca9-22) に作用させたところ IL-1α 以外にも EMMPRIN が増強することを見出した。IL-1α は代表的な alarmin であることから, FW によって誘導、分泌される EMMPRIN も alarmin の一種ではないかと考えられる。そこで, HSC-3とCa9-22に FW を作用させたところ, 培養上清中に EMMPRIN の有意な増加を確認した。また, FW 群と control 群では EMMPRIN 遺伝子の発現に有意差はなかった。 FW 作用後 1 時間で培養上清中の EMMPRIN が有意に増強し, 細胞内溶液中の EMMPRIN は有意に減少する一方, 遺伝子レベルでは, FWはEMMRPIN 発現に影響を及ぼさなかった。このことは, 培養上清中の EMMPRIN 発現増強は細胞内に含有されている EMMPRIN が FW の作用により細胞外に排出される現象であり, IL-1α と同様であった。そこで、FW 以外の非感染性刺激でHSC-3とCa9-22を刺激し, IL-1α および EMMPRIN の分泌の変化を比較検討したところ, IL-1α とEMMPRIN の分泌に相関関係があることが分かった。さらに, EMMPRIN の基本的作用について, ヒト単球性白血病由来細胞 (THP-1) を用いて実験したところ、FW が誘導する EMMPRIN はTHP-1 において PDGF 遺伝子の発現を増強した。PDGF は血管新生を促進させるので, 創傷治癒を促進することが示唆される。EMMPRIN は細胞のストレス条件下で IL-1α と同様に分泌促進されたことから alarmin の一種である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成 28 年度の基礎的研究では, FW の刺激により EMMPRIN が誘導されることを見出した。平成 27 年度では FW によって創傷治癒促進効果を IL-1α が誘導することを報告したが, 創傷治癒促進効果に EMMPRIN も関与する可能性が示唆され、創傷治癒促進効果の研究状況としては概ね計画通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成 27、28 年度の基礎的研究により、FW によって誘導される IL-1α、EMMPRIN が創傷治癒促進効果に寄与することが分かってきた。平成 29 年度は、FW の創傷治癒促進効果を及ぼすその他の因子について検討し、EMMPRIN の alarmin としての基礎的作用についてさらなる追及を行う予定である。
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Causes of Carryover |
おおむね順調に研究が進んでいるが、若干各種抗体によるシグナル伝達遮断の実験系に遅れがあるため一部の抗体を購入しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の研究計画では、FW の創傷治癒促進効果を及ぼすその他の因子について検討し、EMMPRIN の alarmin としての基礎的作用についてさらなる追及を行う予定である。これらの研究に必要な消耗品,研究成果発表のための学会参加旅費,論文校正料,掲載料として使用する。
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Research Products
(1 results)