2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the effect of wound healing by functional water
Project/Area Number |
15K11087
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
尾曲 大輔 日本大学, 歯学部, 助教 (10608699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 正岳 日本大学, 歯学部, 教授 (10231896)
勝呂 尚 日本大学, 歯学部, 講師 (90318452)
五條堀 孝廣 日本大学, 歯学部, 助教 (10755573)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 免疫 / 感染 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
酸性電解機能水(FW)を用いたこれまでの実験で、FWが培養細胞に対してinterleukin-1α (IL-1α)やbasic fibroblast growth factor (bFGF)、extracellular matrix metalloproteinase inducer (EMMPRIN)などの分泌を促進することを明らかにした。これらはalarminとよばれ、細胞が障害を受け壊死に陥る際に、周囲の組織や細胞に、自身が置かれた危機的な状況を知らしめるために分泌される。 まず、FWによって分泌促進されるalarminの創傷治癒に対する効果を検証するために、ラット頭蓋骨に作製した骨欠損モデルを用いて実験した。実験には骨補填剤としてcollagenとhydroxyapatiteの複合物(HAP/Col)を用いた。骨の形成量の変化を実験動物用マイクロCTにより観察したところ、HAP/ColまたはFW単独使用群と比較してHAP/ColとFWを併用した群で、新生骨容積と骨密度共に有意に増加していた。さらに、頭蓋骨施術前後の末梢血を採取し、bFGFの濃度変化についてELISAにより測定すると、併用群では他の群と比較して手術後1,6,24時間後で濃度の上昇がみられた。そこで、bFGF分泌亢進に伴う骨増生効果を検討した。欠損部周囲の組織を採取し、血管新生および骨増生に関与する因子についてreal-time PCRにより遺伝子発現の変化について検索した結果、併用群では他の群と比較して、血管新生因子であるIL-8, VEGF、骨新生に寄与するMCSF、RANKL、BMP7などの因子の発現増強がみられた。 FWによって分泌誘導されたalarmin分子が、血管新生や骨の再生に関与するサイトカインなどの産生を増強することにより、創傷治癒が促進される可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)