2018 Fiscal Year Annual Research Report
Color reproduction of aesthetic dental fixed prosthesis using overglaze painting technique of ceramic industry
| Project/Area Number |
15K11164
|
|---|
| Research Institution | Nagasaki University |
|---|
Principal Investigator |
田上 直美 長崎大学, 病院(歯学系), 准教授 (70231660)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
| Keywords | ジルコニア / 窯業 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、本研究に使用した工業用ジルコニアと歯科用ジルコニアの成分と熱膨張率を測定した。本研究では色調再現の方法として窯業用の転写紙を用い、そのコントロールとして歯科用ジルコニア用ステインを使用したが、ステインは焼き付ける歯科用ジルコニア材料と近似した熱膨張率に調整してある。本研究では、転写紙もステインも工業用ジルコニアの熱膨張率を考慮して作製されたものではないが、熱膨張率の相違は本研究結果に影響を及ぼす可能性がある。
成分分析は蛍光X線分析装置（日本フィリップス(株) MagiX PRO PW-2440/00）にて行った。その結果、工業用ジルコニアの成分はZrO2 90.8%、Y2O3 6.3%、HfO2 1.7%、Al2O3 0.9%、SiO2 0.4%であり、歯科用ジルコニアの成分ZrO2 92.2%、Y2O3 5.4%、HfO2 1.9%、Al2O3 0.2wt%とは若干異なっていた。また、双方の熱膨張係数に大きな相違は認められなかったが、熱膨張特性は大きく異なり、歯科用ジルコニアでほぼ安定しているのに対し、用いた工業用ジルコニアは特に440℃付近で大きく変動した。このことから、試験で用いた工業用ジルコニアは純粋な安定化ジルコニアではなく、別の相を含んでいるものと考えられた。
本研究は、歯科治療への臨床応用のためのパイロットスタディであることから、今後は歯科用ジルコニアを用いた転写紙導入のための研究を推進する必要があると思われた。
|
