2016 Fiscal Year Research-status Report
体幹角度と食事姿勢が咀嚼時下顎・頭部運動に及ぼす影響-高齢者の快適な食事のために
Project/Area Number |
15K11193
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐藤 直子 (五十嵐直子) 新潟大学, 医歯学系, 助教 (20313520)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 広美 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (10736599) [Withdrawn]
山鹿 義郎 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (20736607)
小野 高裕 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30204241)
昆 はるか 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40447636)
櫻井 直樹 新潟大学, 医歯学総合研究科, 非常勤講師 (50251830) [Withdrawn]
早崎 治明 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60238095)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 捕食 / 咀嚼 / 姿勢 / 介助 |
Outline of Annual Research Achievements |
体幹と頭部の姿勢が、食物取りこみ運動・咀嚼運動に与える影響を明らかにすることを目的に、モーションキャプチャーと筋電計を用いて、摂食における、頭部・体幹・下顎の運動を記録解析した。 【体幹・頭頚部姿勢が咀嚼運動に与える影響】 健常者11名において、2種類の体幹傾斜、3種類の頸部屈曲における、ガム咀嚼運動様相を調べた。体幹傾斜度の影響は明らかでなかった一方で、頸部屈曲に応じて咀嚼運動様相は異なっていた。また食塊の性状も咀嚼運動様相に影響を与える可能性が示唆された。以上のことから、「安全な嚥下」に配慮した姿勢が、「円滑な咀嚼」を阻害する可能性が示唆された。 【食事介助が摂食姿勢・摂食運動に与える影響】 さらに食事介助に伴って誘発される姿勢の変化も、摂食運動に影響を与えるのではないかという仮説に対し、以下の実験解析を行った。健常者14名において、食事介助を想定して介助者1名が食物を被験者の口腔に取り込ませる場合の運動様相を調べた。被験者はイスに無拘束で着座し、介助者がリンゴ片を刺したフォークを手に持って種々の方向から被験者にリンゴを食べさせた。また比較のため被験者が自力摂取するタスクも施行した。介助を受ける場合、食物が上方から向けられる場合には、食物が近づくにつれて被験者の頭部角度は後屈方向へ変化し、下方から向けられる場合は前屈方向へ変化していた。口腔においては、介助を受ける場合は自力摂取の場合に比べ食物を口腔内に取り込む時間が長く、また介助の方向が高いほうが延長する傾向がみられた。食事介助において食物を向ける方向も、被介助者の姿勢および食物の口腔とりこみ運動に影響を与えることが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験施設の移転に伴い測定系を再構築する必要が生じたため、実験が一時滞った結果、予定の被験者数にわずかに達しなかった。実験方法は確立しており、測定系の調整はほぼ終了したため、今後のデータの蓄積は問題なく進むと予想している。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在までの実験を継続し、被験者を増やしてデータの蓄積を図る。また、食物を認知して取り込むまでの一連の挙動を考察するため、視覚の影響や顎運動の詳細について測定、解析を進める。 データの蓄積が進んできているので、効率よく正確にデータ分析を行う必要が生じている。解析プログラムの整備を研究協力者の新潟大学工学部の研究者と共同で、今後も続けていく予定である。
|
Causes of Carryover |
28年度中に行う予定であった実験数が予定に満たなかったため、経費に余剰が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に未実施の実験を遂行する経費、および解析プログラム整備経費の一部として、平成28年度余剰を使用する予定である。
|
Research Products
(4 results)
-
-
-
-
[Presentation] 頚部屈曲が咀嚼運動に与える影響2016
Author(s)
昆はるか, 五十嵐直子, 堀澤貴行, 林 豊彦, 中島 努, 早崎治明, 中村 太, 佐藤拓実, 藤井規孝, 堀 一浩, 小野高裕
Organizer
日本顎口腔機能学会 第56回学術大会
Place of Presentation
東洋大学川越キャンパス(埼玉県川越市)
Year and Date
2016-04-23