2017 Fiscal Year Research-status Report
口腔扁平上皮癌幹細胞に対する腫瘍融解ウイルスの効果の解析
Project/Area Number |
15K11270
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
栗原 祐史 昭和大学, 歯学部, 講師 (90514969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 誠二 昭和大学, 歯学部, 准教授 (10432634)
椋代 義樹 昭和大学, 歯学部, 助教 (50325099)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 口腔扁平上皮癌細胞 / テロメラーゼ / 癌幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はテロメラーゼ作動性の腫瘍融解ウィルス(テロメライシン&テロメスキャン)による口腔扁平上皮癌細胞に対する抗腫瘍効果のみならず、休眠状態にある癌幹細胞の細胞周期を回転させることにより、効率よく癌幹細胞(CSC)を殺傷することで口腔癌の増殖、浸潤転移を制御させる臨床応用を目指した新たな治療戦略の早期開発を目指している。これまでに、口腔扁平上皮癌細胞株を用いて、抗癌剤耐性株を作製し、CSCマーカーであるCD44およびCD133の発現上昇について確認し、さらにEMT関連タンパクであるVimentinならびにE-cadherinの解析を行ってきた。29年度はこれらの結果の再現性の確認と、CSC細胞集団の細胞周期調節因子であるp21、p53ならびにE2F-1のタンパク発現動態の解析を進めてきた。研究の遂行に難渋したのは、CDDP抗癌剤耐性株の安定した樹立が困難であったことが挙げられる。細胞の増殖能や形態がなかなか安定せず、これらの作製に多くの時間を要していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
口腔扁平上皮癌幹細胞のソーティングおよび再現性の確認が予定通りに進まなかった。その原因としては恒常的に抗癌剤耐性を有している細胞株を使用するのではなく、CDDPに対する耐性を獲得する細胞株を本研究にて作製してきたため安定した細胞株としての使用が困難となったためと考える。また、研究代表者が予想に反して他業務が増えてしまい、十分に研究に対する時間を作れなかったことも一因と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
使用する抗癌剤耐性株を樹立された細胞株を用いて行うことで、研究の妥当性についての安定化を図り、これまで得られたデータの再現性を確認していく。また、研究分担者との調整により、研究の分担を一部変更し、円滑に研究が進められるような研究体制を再構築したため、今後の研究においては、確実に遂行していけると考える。
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Causes of Carryover |
安定した抗癌剤耐性を有している細胞株の樹立に難渋し、口腔扁平上皮癌幹細胞のソーティングおよび再現性の確認が予定通りに進まなかった。そこで次年度は株化された細胞を用いることで、増殖能などに個体差が生じない状態での研究を行っていく。また、研究体制を見直すことで円滑に予定した研究を遂行していけると考える。
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