2015 Fiscal Year Research-status Report
うがい液からのDNAメチル化異常検出による口腔癌発癌予測システムの開発
Project/Area Number |
15K11297
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
浜田 倫史 鹿児島大学, 医歯学域医学部・歯学部附属病院, 助教 (00444894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 勢也 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (20569941)
杉浦 剛 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (40322292)
河野 憲司 大分大学, 医学部, 教授 (50214664)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 口腔癌 / エピゲノム / DNAメチル化 / 癌抑制遺伝子 / がん検診 / 早期発見 / 前癌病変 / うがい液 |
Outline of Annual Research Achievements |
うがい液は非侵襲的かつ簡便に採取できる、医学検査の理想的な試料である。我々は既に、うがい液中の剥離細胞から口腔癌に特異的なDNAメチル化異常を示す癌抑制遺伝子群を同定しており、それらを用いた口腔癌診断法の感度と特異度はともに90%以上であった。このDNAメチル化異常は発癌前に潜在的に蓄積されていることから、本法は前癌病変(発癌ハイリスク群)の抽出法としても有望である。本研究の目標は、前癌病変に特異的な癌抑制遺伝子のDNAメチル化異常を検討し、発癌超早期または発癌前に起こる特異的なエピゲノム異常を同定することである。 口腔癌の早期発見を行うため、また発癌を予測するためには、前癌病変(前癌状態)の理解が重要である。まずわれわれは、代表的な口腔前癌病変である白板症(oral leukoplakia)の症例からうがい液を採取し、発癌の早期段階で起こるエピゲノム異常を検索した。前癌病変および健常者のうがい液を用いて比較検討を行ったところ、発癌前の状態(前癌病変)を示す複数のDNAメチル化異常を同定し、これらのバイオマーカーを標的としてうがい液を用いた感度・特異度の高い非侵襲的な口腔前癌病変の検出法を確立した(特願2015-172327)。これは発癌の早期段階にある状態をスクリーニングできることを意味し、最終的には口腔癌発癌予測システムの開発に寄与しうる。またこのような発癌予測システムは被験者に自らの発癌リスクを認識させることで生活習慣改善を促し、個人の遺伝情報に基づいたオーダーメイド癌予防医療の確立に寄与しうると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
健常者にはほとんどみられず、かつ発癌早期に認められるエピゲノム異常を複数同定し、うがい液を用いた感度・特異度の高い非侵襲的な口腔前癌病変の検出法を確立した(特願2015-172327)。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数を増やし、また前向きの検討を加えることで、より精度の高い口腔癌検出システムおよび発癌予測システムを確立する予定である。
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Causes of Carryover |
症例数に伴う試薬等の購入が予定額より少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
さらに精度を高くするためにも症例数を増やし前向きに検討をすすめる予定である。
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