2016 Fiscal Year Research-status Report
矯正学的持続的機械ストレス環境におけるポドプラニン依存性骨再生機構に関する研究
Project/Area Number |
15K11333
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
金井 壮律 北海道大学, 歯学研究科, 助教 (20344517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 哲也 北海道大学, 歯学研究科, 助教 (00451451)
沢 禎彦 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (70271666)
飯田 順一郎 北海道大学, 歯学研究科, 特任教授 (90151232)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ポドプラニン / 持続的機械ストレス / 骨再生機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
矯正力とは持続的な機械ストレスであり、その環境下におけるポドプラニン依存性骨再生機序についての報告はされていない。しかし、ポドプラニンは、シアル酸結合型のムチン型タンパク質で粘性の極めて高い物性から、骨芽細胞がポドプラニンを産生することで、骨の強度を上昇させ、また骨芽細胞が骨基質を積み上げるのに重大な貢献をしていると考えられる。そのために、ポドプラニンを欠損すると骨の可塑性が大きくなり、小さな矯正力で歯の移動を起こしやすくなる。これを応用して、矯正治療後の後戻りの防止にポドプラニンを投与する、抜歯窩や骨の欲しい場所にポドプラニンを投与することにより骨の再構築が促進するではないかと考え、その可能性を検討するために研究計画を構築した。 研究の成果としては、①培養したマウス骨芽細胞(MC3T3-E1) を用いて、持続的機械的ストレス環境下において骨芽細胞が産生する骨関連タンパクであるオステオカルシンやオステオポンチンと共にポドプラニンの発現量の変化を検討した結果、オステオカルシン、オステオポンチンおよびポドプラニンの発現量が共に増加した。②骨芽細胞を骨形成培地下で培養して、カルシウムを沈着させる過程において、抗オステオカルシン、オステオポンチンおよびポドプラニン抗体を培地に入れて培養した結果、カルシウム沈着は抑制された。③作製したポドプラニンコンディショナルノックアウトマウスの繁殖については、現在の所、繁殖が思いの外うまくいかず実験に使用できる匹数が集まっていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、ポドプラニンの骨形成に与える影響について。骨形時、骨芽細胞が産生する骨関連タンパクであるオステオカルシンやオステオポンチンと同様に骨形成に関与するタンパクであることが今回の実験の結果で明らかになった。しかし、作製したポドプラニンコンディショナルノックアウトマウスの繁殖については、現在の所、繁殖が思いの外うまくいかず実験に使用できる匹数が集まっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
作製したポドプラニンコンディショナルノックアウトマウスの数を増やし、ワイルドタイプと共に歯槽骨形態、骨密度およびポドプラニンとの分布の相関性をマイクロ CT と免疫組織化学検索によって検討する。また、マウスに歯槽骨欠損部を有するモデルを作製し、欠損部にポドプラニンを投与することによる骨再生能も比較検討する。
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Causes of Carryover |
購入しようとした試薬が、経費不足のため購入できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度経費と合わせて購入する。
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