2016 Fiscal Year Research-status Report
食道癌発現促進因子としての口腔細菌叢機能の網羅的解析
Project/Area Number |
15K11408
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丹田 奈緒子 東北大学, 大学病院, 助教 (00422121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 尚 東北大学, 医学系研究科, 教授 (10436115)
高橋 信博 東北大学, 歯学研究科, 教授 (60183852)
小関 健由 東北大学, 歯学研究科, 教授 (80291128)
鷲尾 純平 東北大学, 歯学研究科, 講師 (20400260)
細川 亮一 東北大学, 歯学研究科, 臨床准教授 (40547254) [Withdrawn]
菅崎 将樹 東北大学, 歯学研究科, 助教 (50444013) [Withdrawn]
末永 華子 東北大学, 歯学研究科, 助教 (00508939) [Withdrawn]
佐久間 陽子 東北大学, 歯学研究科, 助教 (90735531)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アセトアルデヒド / 口腔細菌叢 / 食道癌 / 周術期 |
Outline of Annual Research Achievements |
食道癌は日本で年間罹患者の63%に相当する12000人(2010年)が亡くなる難治性癌である(国立がん研究センター2010)。その90%以上は扁平上皮癌であり、喫煙、飲酒、アセトアルデヒドがリスク要因とされている。日本人の約半数はアセトアルデヒド代謝能の低いaldehyde dehydrogenase 2型(ALDH2)ヘテロ欠損であるため食道癌罹患リスクは高く、その対策は喫緊の課題である。近年口腔内細菌がエタノールの存在下でアセトアルデヒドを産生することが報告されており、喫煙・飲酒による口腔環境の悪化が食道癌の発生・進展に関与する可能性が示唆されている。周術期口腔ケアは食道癌術後合併症の減少に寄与しているが、本研究の目的は、周術期において口腔細菌叢のアセトアルデヒド産生能を解析し、呼気・口内気体分析とともに食道癌治療に役立てることである。 初年度は『胸部食道癌への口腔ケアの有効性に関する患者群と健常者群の非無作為化前向き比較試験』という研究名称で東北大学大学院歯学研究科研究倫理委員会より研究内容の承認を得、平成27年12月にUMIN-CTR登録を行った。この間、唾液由来の細菌叢からアセトアルデヒドの産生能を解析する方法及び条件を確立することに努めた。好気条件、嫌気条件それぞれでエタノールならびにグルコースを培地としてアセトアルデヒドの産生を確認した。平成28年1月から研究対象者の登録を開始し、平成28年度は主に食道癌患者を対象として試料を採取し解析した。唾液由来細菌叢からはアセトアルデヒドが発現し、口腔ケア前後の変動には個体差が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
入院患者さんの中で今回の研究に適格である症例の数が少なかったことが理由と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
食道癌患者については入院の予測が難しい。分担研究者間の連絡を密にし適格症例に対応できる体制を整える。患者数が予定数集積したら対象症例に集中して研究を積み重ねてゆく。
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Causes of Carryover |
入院患者適格症例に備えていたが、研究を実施した患者数が予定よりも少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度となるので、残りの患者数ならびに健常対象者の集積を行う。また、研究成果を学会などで発表する予定である。、これらに伴う研究費を当該助成金残額37653円を合わせて計画的に使用していく。
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