2016 Fiscal Year Research-status Report
口腔機能改善と平衡機能を含む運動器機能改善に関する無作為化比較試験
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15K11411
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
宮崎 秀夫 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00157629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葭原 明弘 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50201033)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高齢者 / 日常生活動作(ADL) / 筋力 / 歩行能力 / 平衡機能 / QOL / 舌圧 / 頸部可動域 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の体力低下は,日常生活動作(ADL)の遂行に大きく影響を与える。起居動作や階段昇降など,屋内外で個人が活動する際の基本動作に,筋力,平衡機能などの体力要素が大きく関わってくるからである。これらの体力要素は生活体力と呼ばれる。 一方,高齢者の体力の低下は転倒の大きな要因であることがわかっている。転倒の要因について調べたメタ分析では,筋力、歩行能力,平衡機能のいずれもが加齢の影響や認知機能の低下以上に高いリスク要因であることがわかった。高齢者のADL低下による閉じこもりや転倒を契機とした寝たきりへの移行は,生活の質(QOL)を著しく低下させる。したがって、高齢期における体力の維持,あるいは低下の予防は,単なる生物学的な寿命の延伸というよりも,QOLに重きをおいたいわゆる健康寿命の延伸にとって重要な要素といえる。 本調査の目的は,運動器機能の低下の恐れのある高齢者に対して,口腔衛生指導および口腔機能訓練を運動器機能訓練とあわせて行うことによって,①口腔機能の改善によって平衡機能の改善を含む運動器機能の増強効果が生じたか,②特に平衡機能に影響を及ぼす口腔機能訓練項目を明らかにすることである。 平成27年度に選定した新潟市内2地区において,今年度は介入研究を実施した。対象者の選定およびベースライン調査を行い,3ヶ月間の訓練を経て,フォローアップ調査を行った。今後はさらなるデータの分析,学会発表および論文作成を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画当初予定していた対象者人数は200名(介入群100名,対照群100名)に対して,現在約90名のデータを収集した。当初予定していた新潟市および近郊市町村では,すでに口腔体操を施策として実施していることもあり,調査に対して地区担当者の合意が得られなかったことが要因として考えられる。引き続き,新潟県行政,新潟市行政および新潟医療福祉大学の協力を得て進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在,平衡機能に影響を及ぼす口腔機能の項目について分析を行い,平成29年度に学会発表にて報告することが確定している。同時に,介入研究の前後比較について分析を進め,平成29年度中に論文作成を行う予定である。
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Causes of Carryover |
調査対象地区の決定が遅れ、調査期間の時期および人数が変更となったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は研究の成果について学会発表および論文作成を行う予定であり、これらの研究予算とする計画である。
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