2015 Fiscal Year Research-status Report
学校歯科保健支援ICTシステムを導入した自律的健康づくりを目指す食育介入の効果
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15K11419
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
土井 登紀子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 助教 (70747683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野出 大輔 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (70189801)
吉岡 昌美 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 准教授 (90243708)
中江 弘美 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 助教 (00709511)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 学校歯科保健 / 噛ミング30 / ICTシステム / 食育 / 自律的健康づくり |
Outline of Annual Research Achievements |
小学校児童を対象とした研究:咀嚼習慣と口腔内状態との関連性を調査すること、よく噛むことを健康づくりに取り入れた食育介入を実施し、口腔内状態の変化としての効果を検証することを目的とした。徳島県内にある2つの小学校のうち,1校の5年生(81名)を介入群とし,他校の5年生(39名)をコントロール群として,食習慣に関する保健調査を実施した。介入群では,児童それぞれのPMA indexを評価した。さらに,1年間を通して計5回学校給食時に咀嚼計を用いた「噛ミング30学習」を実施した。介入終了後,“よく噛む”項目が改善した者の割合は、コントロール群では13.2%、介入群では40.7%と有意な差が認められた(p<0.01)。“よく噛む”項目の変化の有無により,介入群を2つのグループに分類した。“よく噛む”項目の非改善群ではPMA indexが有意に増加していた(p<0.05)が,改善群ではPMA indexに増加は認められなかった。これらの結果は,小学生において,不十分な咀嚼習慣と歯肉の炎症に関連性があることを示している。「噛ミング30学習」は,よく噛むことを促すだけでなく,歯肉炎の予防にも効果がある可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小学校児童を対象とした研究において、噛むことを健康づくりに取り入れた食育介入を実施した。その際、「学校歯科保健支援ICTシステム」を活用し児童にタブレット端末を使用させ、自身の歯科健康診断結果及び生活習慣の振り返りを行った。介入の結果、非介入群と比較して、介入群では“よく噛む”項目が有意に増加していたことや、“よく噛む”項目が改善した群では歯肉の炎症増悪を抑制する可能性が示されるなどの成果が得られている。上記の結果から、本研究課題の小学校での活動においては、おおむね順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
1.前年に引き続き、小学校において「学校歯科保健支援ICTシステム」を用いた歯科健康診断および食習慣に関する保健調査を実施する。また、噛むことを健康づくりに取り入れた食育介入も実施し、継続して介入効果を検証する。 2.高校生を対象とし、断面調査として、「食べる速さ」、「よく噛む習慣」および「歯磨き習慣」などの食育と口腔衛生習慣に関連する質問に対し、「1:良好,2:改善が望ましい,3:要改善」の内容で回答させる保健調査を実施する。その結果と定期的に高校で実施されている身体測定(BMI)および歯科健康診断結果の集計・分析を行い、口腔保健と他の生活習慣との関係性を明らかにする。
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Causes of Carryover |
従来予定していた高等学校での「学校歯科保健ICTシステム」の活用が遅延しており、システム運営費の経費が十分に執行できなかった。また、小学校における本研究の結果を学会雑誌に投稿し受理されたが、採択が遅れて投稿料及び別冊代金の支払いが遅延したことも理由として挙げられる。さらに、高校でのアンケート調査の集計・分析の実施が遅れており、データ入力を依頼していた研究補助者の雇用ができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
高等学校において上記のシステムを活用し、経費を執行する。また、遅延しているデータ集計・分析を進めるために研究補助者を雇用する予定である
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Research Products
(6 results)