2015 Fiscal Year Research-status Report
3次元CT(3D-CT)の下顎角を用いた日本人の年齢推定の検討
Project/Area Number |
15K11446
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
久富 美紀 岡山大学, 大学病院, 講師 (60314704)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅海 淳一 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60184131)
村上 純 岡山大学, 大学病院, 助教 (40362983)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 個人識別 / 下顎角 |
Outline of Annual Research Achievements |
個人識別のための年齢推定の指標の一つとして、下顎角があり、3次元CTを用いた下顎角と日本人の年齢の相関を調査することを目的とする。診療のために撮影されたCTから3次元画像解析システムを用いて3次元画像を作成し、日本人の男女別に各年齢の下顎角を計測する。年齢推定の指標となる下顎角を設定することで、身元不明死体の死後画像検査データから得られた下顎角から年齢を推定することが可能となる。 平成27年度はまず本研究を実施するにあたり、岡山大学倫理委員会で審査を受け、研1506-027で承認された。 調査方法を検討するため日本法歯科医学会に入会し、同学会に参加した。さらに国内外の学会に参加し、本研究のための情報収集も行った。 対象は2010年1月1日から2015年3月31日の期間に岡山大学病院を受診し、初診時にCT撮影を受け、同時期に歯式の確認できるパノラマX線写真を撮影された患者とした。顎変形や骨折の既往など下顎骨に変形を伴う疾患を有した患者や体動により3次元画像計測に支障をきたす患者は除外した。骨格的な形態は男女差を有すると考えられることから、男女別に0~9歳、10歳代、20歳代、30歳代、40歳代、50歳代、60歳代、70歳代、80歳代、90歳代と各年代別にそれぞれ50~100例を目標に検索した。倫理委員会で承認を得られた期間の対象者数は男性1036例、女性1276例、計2314例であった。 データ解析するための3次元画像解析ワークステーションは岡山大学歯科放射線・口腔診断科に設置されているものを使用し、計測者は歯科放射線専門医を含む2名とし、両側の下顎角をそれぞれ2回計測し、その平均値を算出した。平成27年度は約30例を計測した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
骨格的な形態は男女差を有すると考えられることから、男女別に0~9歳、10歳代、20歳代、30歳代、40歳代、50歳代、60歳代、70歳代、80歳代、90歳代と各年代別にそれぞれ50~100例を目標に検索した。倫理委員会で承認を得られた期間の対象者数は男性1036例、女性1276例、計2314例であった。0~9歳男児、0~9歳女児、80歳代男性、90歳代男性、90歳代女性は50例に満たなかった。 データ解析のため、下顎骨が撮影範囲内に十分に含まれていることや体動がないことを確認しながら、CTの3次元画像を構築した。下顎角は下顎枝後縁接線と下顎底接線のなす角度とするため、CTの3次元画像は下顎底接線が底面として水平となる位置に配置した。さらに、左右の下顎枝後縁接線がほぼ同一ラインに位置するように、半透明のCTの3次元画像で確認しながら位置決めを行った。CTの3次元画像を作成した後の位置決定が予想以上に繊細で困難な作業であり、今年度の下顎角の計測は約30例程度しか施行できなかった。 計測者は歯科放射線専門医を含む2名とし、CTの3次元画像から両側の下顎角をそれぞれ2回計測し、その平均値を算出した。
|
Strategy for Future Research Activity |
CTの3次元画像を作成した後の位置決定が予想以上に繊細で困難な作業であり、今年度の下顎角の計測は約30例程度しか施行できなかった。現時点での今後の推進方策は時間と労力を掛けることを考えているが、日本骨形態計測学会などの学会に参加し、本研究の計測方法に有用かつ簡易な手段があるかどうかの情報収集にあたる。
|
Causes of Carryover |
今年度の下顎角の計測は約30例程度しか施行できず、当初予定していた統計解析用コンピューターや統計処理ソフトの購入を延期したため、次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に統計解析用コンピューターおよび統計処理ソフトを購入する予定である。
|
Research Products
(2 results)