2016 Fiscal Year Research-status Report
女性更年期における口腔症状改善のための介入プログラムの構築と評価
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15K11454
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
吉田 直美 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (50282760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 久美子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (10133109)
山中 紗都 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (60724987)
酒巻 裕之 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (70312048)
山崎 陽子 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (90366609)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 更年期女性 / 口腔健康状態の改善 / 口腔健康教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
更年期女性は、口腔の乾燥感や不快感などの口腔症状を訴える率が高いといわれている。これまで、口腔内状態とホルモン変化との関連については検討されていなかった。私たちは、先にこの時期の歯科衛生士を対象として唾液分泌量と血清エストラジオール濃度の測定を行い、両者間に有意な正の相関がみられることを報告した。ついで、同様の測定を一般女性に行い、歯科衛生士群と一般女性群の2群間にどのような違いを検討した結果、2群間では、女性ホルモン量や身体の主観的健康観には違いがなかったものの、口腔健康状態や精神状態では、有意に歯科衛生士群の方が良好であった。これらの違いは、女性ホルモンや身体健康の状態よりも口腔保健の専門的知識と習慣が口腔健康状態さらには精神的ストレスに影響した結果と考えられる。このことは、口腔健康教育等を通して口腔保健の知識やスキルを一般女性に広げることが、更年期における女性の健康とQOL向上に寄与する可能性を示していると考えられた。 本研究は、上記の結果を受けて、更年期女性の口腔症状を改善するための介入プログラムを立案して、実施し、その介入効果を評価している。先行研究において閉経後の女性にみられた唾液分泌量の減少の改善と、40歳以降に多く認められる歯肉炎症を改善するための介入プログラムを実施した。ベースライン評価および介入後評で得られた結果を解析したところ、介入群では、刺激時唾液分泌量が有意に増加し、Community Periodontal Index(CPI)を用いた歯周検査判定結果に改善が認められ、一定の健康教育効果が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
介入プログラムはすでに実施し、データ解析をおこなっている。現在は、さらに詳細なデータ解析をし、学会で公表すべく、準備をしているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、更年期女性に対する介入プログラムについての詳細な解析を行い、学会で公表するとともに、フォローアップ調査に着手し、介入成果についての評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
フォローアップ調査ならびに成果発表を2017年に実施することにしたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年にはフォローアップ調査を行うとともに、これまでの成果をヨーロッパの国際学会にエントリーし発表を行う際の費用とする予定である。
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Research Products
(2 results)