2016 Fiscal Year Research-status Report
歯科衛生臨床教育におけるアクティブ・ラーニングを支援する質的評価の開発
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15K11462
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Research Institution | The Nippon Dental University College at Tokyo |
Principal Investigator |
合場 千佳子 日本歯科大学東京短期大学, その他部局等, 教授(移行) (50413141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高阪 利美 愛知学院大学短期大学部, その他部局等, 教授 (90446188)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 臨床教育 / 臨床・臨地実習 / 多職種連携 / 実習記録 / 実習評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、学生の能動的な臨床・臨地実習をメンタルヘルスの側面から支援するツールを探究すべく、歯科衛生士の臨床教育における質的評価法を検討することが目的である。 歯科衛生士学生は、臨床・臨地実習において患者やその家族、歯科医師や歯科衛生士、その他の専門職と関わり、養成所での実習とは異なる環境からさまざまなストレスを受けていた。前年度は、本科における臨床・臨地実習や専攻科における臨床・臨地特別実習にのシラバスを用いて実施状況や教育内容および実習評価を分析した。 本年度は、臨床・臨地実習の満足度調査や学生からのインタビューの結果をもとに、アクティブ・ラーニングに影響を及ぼす要因について検討した。本学では、大学病院での臨床実習に期待もふくらみ入学の動機にもなっている。ただ、それだけに知識や技能が伴わなかった際のストレスも大きかった。さらに、実習評価では実習担当者の主観的判断に基づく評価であり、学生の成長過程に対する評価は不充分であった。その反面、多職種と連携をとる場面の多い臨地実習では、地域保健・障がい者施設・高齢者施設と領域が広く実習先の特徴も把握しやすい傾向がみられた。その結果、興味のある領域であれば、その現場で学ぼうとする意欲がアクティブ・ラーニングに繋がり、効果的な実習先であったと実習記録から把握できた。しかし、前年度からの課題である、臨床・臨地実習における評価については、実習指導者が学生を評価するもので、学生個々の目標達成をフィードバックするには至らず改善が求められる状況であった。 看護教育において、看護過程の考え方に基づいて臨地実習が進められることが多い。その教育効果は、患者をひとり受け持ち長期に及んで関わることで看護実践能力が修得できる。歯科衛生臨床教育でも、歯科衛生過程を活用した臨床実習を充実させることで学生の成長過程を把握した評価法やサポートが求められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請時の研究計画に対してやや遅れている理由としては、臨床・臨地実習の実施状況や満足度に関するインタビュー調査や専攻科生によるアクティ・ブラーニング実践後の評価などに時間を裂いてしまった。そこで、ストレス対処能力を評価するSOCスケールの測定なども早急に実践し、ストレスに対する問題解決の因子を分析する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、医療や介護領域における歯科衛生臨床教育で効果的な教育プログラムのアウトラインを作成し、学生の意欲や関心、表現力、判断力を包括した学生の成長過程を認識できるような評価のあり方を検討する。分担研究者とともに、臨床教育で活用できる質的評価を作成するために、研究協力の得られる歯科衛生士学校の学生を中心とするワークショップを企画する。
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Causes of Carryover |
平成28年度に計画をしていたフィールドにおけるアクティブラーニングの際に、学生や歯科衛生士の健康教育の場面があまり持てず、プロジェクターを必要としなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は、地域支援事業や介護の臨地実習でもアクティブラーニングを実践し、プロジェクターを活用した視覚的な健康教育を行う予定である。
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Research Products
(7 results)