2016 Fiscal Year Research-status Report
がん患者の睡眠改善を目的としたタクティールケア介入と効果実証
Project/Area Number |
15K11486
|
Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
坂井 恵子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (60454229)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森河 裕子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (20210156)
堀 有行 金沢医科大学, 医学部, 教授 (80190221)
北本 福美 金沢医科大学, 医学部, 助教 (00186272)
松井 優子 金沢医科大学, 看護学部, 准教授 (00613712)
杉森 千代子 金沢医科大学, 看護学部, 講師 (70737973)
小畑 静香 金沢医科大学, 看護学部, 助手 (20735378) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 看護技術 / タクティールケア / 睡眠 / ピッツバーグ質問紙 / 睡眠評価 / 介入研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、がん患者に対する睡眠の改善に、タクティールケア介入が有効かを検証することである。タクティールケアとは、手掌によって相手の身体を柔らかく包み込むように触れ、肌と肌のコミュニケーションを通して不安や不快症状等を緩和するタッチケアである。研究目標1は、平成27から28年度にかけて、入院治療中のがん患者に対して、タクティールケア介入が睡眠・活動に及ぼす影響を明らかにすることであった。対象は入院中のがん患者11名。未介入日と介入日でアクチグラフ、ピッツバーグ睡眠質問紙、主観的評価、体表温度の測定などで評価を行った。その結果、入院中の女性がん患者は、主睡眠区間の睡眠時間、睡眠効率、睡眠中断に有意差はなかったものの、主睡眠区間の覚醒時間、1日における体動加速度指数は有意な差が見られた。睡眠状態の自己評価は、未介入日よりも介入日に有意に向上した。主観的評価として気持ち良かった等が見出された。また、介入により、体表温度が上昇した。以上のことから、入院中の女性がん患者へのタクティールケア介入は、リラクセーション効果、循環促進効果があり、それらが睡眠改善に有効であることの示唆が得られた。目標2は、平成28から29年度にかけて、外来治療を受けながら地域で生活するがん患者を対象に、タクティールケア介入が睡眠・活動に及ぼす影響を明らかにすることである。対象は、平成29年4月現在までに7名のデータ収集を終え、分析途中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・本研究の目的は、がん患者に対する睡眠の改善に、タクティールケア介入が有効かを明らかにすることが目的である。平成27~28年度にかけて、目標1の入院がん患者にタクティールケア介入し、データ収集、分析し、その結果を発表したことから評価できる。平成28年度から、目標2の地域で生活するがん患者を対象に、タクティールケア介入し、未介入日と介入日で、データ収集を行っているが、天候が悪い季節であったことから、参加者の協力が困難で、現在までに7名の参加者のデータ収集を終えた。あと数名の対象からデータ収集したうえで、データ分析をし、介入が有効かを探りたいと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
・平成29年度は引き続き、地域で生活するがん患者を2~3名を募集し、タクティールケアの未介入日と介入日で、データを収集する。あわせて、データ整理、分析を進め、タクティールケアの有効性を探る。あわせて、目標1の論文執筆、投稿を進めていく。
|
Causes of Carryover |
目標2の対象者は、地域で生活するがん患者約20名を予定していたが、内諾が得られ実施できたのは、平成28年度は7名であった。研究協力のために来校いただく予定であったが、天候不良のために協力が得られる人数が少なかったため、当初の予定よりアクチグラフのレンタル・解析料を使用できなかった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は、目標2の地域で生活するがん患者を数名、募集のうえ、データ収集、データ分析し結果を発表にむけて準備する。あわせて、目標1の入院患者対象としたタクティールケア介入結果を論文としていく。
|
Research Products
(1 results)