2017 Fiscal Year Annual Research Report
Educational program for cultivating nurses' practical knowledge through transfer of oncology nurses' practical knowledge
Project/Area Number |
15K11500
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
長坂 育代 千葉大学, 大学院看護学研究科, 特任准教授 (50346160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞嶋 朋子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (50241112)
増島 麻里子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (40323414)
吉田 澄惠 (吉田澄惠) 千葉大学, 大学院看護学研究科, 特任准教授 (10279630)
井関 千裕 千葉大学, 大学院看護学研究科, 特任助教 (00736100) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | オンコロジーナース / 実践知 / 伝承 / 実践の可視化 / 教育プログラム / がん看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は、日本のがん医療において高い実践能力があると認められたオンコロジーナースの看護実践を可視化し、そこから導かれた実践知の伝承を通して、新たな実践知を生み出す教育プログラムを構築することである。 まず、プログラムの理論的根拠となる実践知および知の伝承に関する文献レビューでは、実践知の概念や知の伝承に関する要因を検討した。実践知の専門家やがん看護専門看護師を交えたエキスパートパネルディスカッションでは、可視化できる実践とは何か、可視化されるべき実践とは何か等について討議した。 次に、がん医療における実際の臨床場面に対応した質の高い看護実践を明示することに主眼を置き、がん患者や家族へのオンコロジーナースの看護実践の事例分析を行った。例えば、挙児を希望する乳がん患者の内分泌療法継続の意思決定を支えたあるオンコロジーナースの1年間の看護実践では、【患者の治療継続の必要性に関する問いを患者の年齢や婚姻状況、これまでの治療経過、内分泌療法の妊孕性への影響に関する知識と関連づけ、潜在するニーズの端緒をつかむ】、【患者の挙児の可能性に関する情報ニーズに対し、病態と再発リスクに対する患者の認識や、これまで受けた治療の妊孕性への影響を把握した上で、資源を活用しそのニーズに応える最適な場をつくりだす】、【患者が抱えている迷いの本質とこれからの人生を見据え、挙児のことや治療継続について患者自身が“今”納得できるまで考える意味を患者と共有する】等を含む5つの実践を抽出した。 さらに、教育現場や企業における知の伝承に関する既存の教育プログラムを精査するとともに、緩和ケアに関する教育プログラムを国際的に展開する英国のランカスター大学を視察し、プログラム構築や展開に関する示唆を得た。 以上より得られた知見から、がん医療に携わる臨床看護師を対象に、実践知の伝承に焦点を当てた教育プログラムを考案した。
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