2015 Fiscal Year Research-status Report
看護系大学における睡眠学教育の実態把握と臨地のニーズ・課題に関する調査
Project/Area Number |
15K11515
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
谷田 恵子 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (60405371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 彩子 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (10425449)
宮川 幸代 兵庫県立大学, 看護学部, 講師 (20614514)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 睡眠 / 看護教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は,現行の看護教育における睡眠学教育のニーズと課題について検討することである。 初年度は,研究者の所属大学を除く看護系大学協議会会員校の教員と看護学部4回生を対象としてウエブ調査を実施した。学生を対象とした調査については7校から協力を得ることができたが,報告書提出時点(4月末)においてデータ収集中である。教員を対象とした調査には63件の回答があり,睡眠や生体リズムに関する知識や技術を教授する科目をもつ教員からの回答はその約70%であった。「各発達段階における睡眠の特徴や休息・睡眠を促す援助技術」などを教授する科目を担当している者が過半数を超えていたが,「測定用具を用いた睡眠評価方法」,「睡眠の疫学」,「睡眠障害が社会に及ぼす影響」など睡眠学に関する知識を教授しているという回答は1割に満たなかった。また「睡眠学に関連することのみを教授する科目を提供している科目がある」との回答は皆無であった。授業コマ数を増やせると仮定した場合にどの程度増やしたいかについて知識の項目ごとに尋ねた質問には,無回答が3~4割を占めていたが,すべての項目において1~3コマ程度は増やしたいとの回答が過半数であった。看護学部における睡眠に関する教育に関して課題であると考えることについて自由記載形式で得た回答には,特に課題は無いとのコメントが複数あった一方で,睡眠の事について教授したいことは多々あってもそれに時間が割けないとの回答も多かった。 看護学士課程の過密なカリキュラムの中で睡眠に関する知識・技術を提供する時間が不足していると考えている教員が少なからずいることや,教授が不足していると思われる特定の事柄について示す教員もいることがわっかた。今後はこれらの結果を学生側の結果と合わせて分析し,教育ニーズについて明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度は,看護系の大学教員を対象として睡眠に関する授業の実態を調査するとともに,看護学部学生を対象として,授業の中で修得した睡眠に関する知識レベル(学生の主観的な評価による)について調査を計画していた。3月末時点において学生を対象とした調査のデータ収集は途中であることから,進捗状況はやや遅れていると判断する。 しかし,5月中旬にはデータ集計まで完了できる見込みであり,また,28年度に予定している臨床看護職者を対象とした調査は,初年度の調査結果を分析しつつ並行して行える内容のものであることから,この遅れは今後の研究遂行に支障を来さないと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は臨地で勤務する看護職者を対象とした調査を実施する。 その第一段階として,患者やクライエントに対する睡眠ケアや睡眠衛生教育の実施に関する実態と,看護職が必要としている睡眠に関する知識にはどのような事があると考えているかについて,半構成的面接法により情報を得る。それをもとに質問紙調査の質問項目を検討する。 次に,看護職者を対象とした面接調査後に作成した質問票を用いて郵送法により調査を行う。この質問紙調査の結果から,職種ごとに臨地において求められている睡眠に関する知識やケア技術の特徴について分析し,今後の看護学部における睡眠学教育の内容について考察する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は大学教員と看護学部学生を対象とした質問紙調査を実施した。教員分についてはデータ収集の回答期限を3月と設定していたため,データ管理業者の作業を年度内に完了できていないことから,これに係る経費が未使用額として次年度に繰り越されることになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年4月の時点においてで教員分のデータ入力結果などは納品され,また学生を対象とした調査のデータ管理委託費用も今年度上期には清算できる予定である。
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