2015 Fiscal Year Research-status Report
一貫した教育の実質化を可能にするユニフィケーションモデルの構築
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15K11553
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
新井 麻紀子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (10644552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳本 弘子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (00315699)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 乖離 / 実習病院 / 連携 / 困難 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度前半は国内外のユニフィケーションモデルについて先行研究を検討した。医中誌WEBにて1900年代から2015年までに至る国内文献の検討をおこなった。海外文献に関してPabMedを使用した。 国内のユニフィケーションモデルは、幾通りかのタイプに分けられていた。平岡らが1999年に分類した①看護教員-看護職併任型、②師長→看護教員兼任型、③看護教員→看護職兼任型、④大学-地域連携型の4パターンに現在も大別され、それぞれ時代に応じた見直し、組織の特徴に合わせたユニフィケーションモデルの構築がなされていた。 また、米国ではUnification Modelではなく、Dedicated Education Unitが学生の看護実践能力の開発のためには、効果的であるとされていた。Dedicatedとは、「専従」「身をささげる」との意味であるが、看護教員が臨地実習の実践の場に身を置きながら、学生の教育を一手に引き受けるシステムであり、上記の看護教員-看護職併任型であると推察される。 我が国においてユニフィケーションモデルを取り入れている大学、病院、自治体(神奈川県)に見学を依頼し担当者に直接話を聞くこと、教員に求められる看護実践能力について臨床現場の看護師が考える「看護実践能力」と教員が考える「看護実践能力」をそれぞれの立場から明らかにするまでには、至っていない。今後は附属病院を持たない看護師養成校が臨地実習施設との連携をどのようにしていくべきなのか、人的アプローチだけでなくシステム(社会制度)側へのアプローチもしていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
先行論文にてユニフィケーションモデルにはさまざまなタイプがあることがわかった。 独自のユニフィケーションモデルを構築し実践している施設は附属病院を持っている養成施設に限られ、附属病院をもたない看護師養成施設は実習病院への研究指導などに極、限られた範囲での連携が多かった。経営母体が異なる施設同士では連携の範囲に限りがあり、ユニフィケーションモデルを提案することは現状では、非常に困難であると言わざるを得ない。 本研究は附属病院を持たない看護師養成施設の教員が臨床現場とどのように連携していくべきなのかを主眼とするものであるため、新たなアプローチ方法を模索する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
附属病院を持たない看護師養成施設の場合の連携を考えるときには、実習を受け入れていただいている実習病院との連携を考えていくことが望ましい。研究者が所属する研究施設における「臨地実習教育協議会」や「臨地実習指導者研修会」の機会を活用し臨床と教育の連携(一元化)についての企画を提案していきたい。
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Causes of Carryover |
平成27年度前半に行う予定であった、ユニフィケーションモデルを取り入れている大学、病院、自治体に見学を依頼し担当者に直接現状や効果などを聞き取り調査することができていない為。 教員に求められる「看護実践能力」についての質問紙調査ができていない為。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
先行研究レビューで得られた結果をもとにユニフィケーションモデルを取り入れている大学、病院、自治体に見学を依頼し担当者に直接現状や効果などを聞き取り調査するための旅費および人件費を使用する。教員に求められる「看護実践能力」についての質問紙調査に、物品費、人件費を使用する。また、看護教員の病院研修プログラム作成のためのスーパーバイズに関する謝金を使用する。
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