終末期がん患者の家族間コミュニケーションを促進する看護師教育プログラムの構築

2015 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 15K11615
• Research Institution: Hokkaido University
• Principal Investigator: 青柳 道子 北海道大学, 保健科学研究院, 講師 (30405675)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 進藤 ゆかり 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (70433141)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2019-03-31
• Keywords: がん患者 / 家族看護 / コミュニケーション

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は，終末期がん患者の家族間のコミュニケーションを促進する看護介入を検討し，看護師の教育プログラムを構築することである．今年度は，研究計画に沿って，基礎的研究となる終末期がん患者と家族間の良好なコミュニケーションについて，主に国内の文献を中心に概念分析を進めている．まず，Rodgersの概念分析の方法を用いることから，研究者で方法論についてConcept Development in Nursingを抄読した．他にも概念分析の研究方法論に関する文献の抄読および概念分析を行った論文を読み，方法論についての理解を深めた．その上で，主に国内の文献について，ディスカッションしながら，分析を進めているところである．また，末期がん患者と家族間のコミュニケーションの実際と家族間のコミュニケーションに対する専門職の関わりを知るために，緩和デイケアに参加し，患者家族の観察を行うとともに，専門職に関わりに関する情報収集を行った．また，緩和ケアに関する研修会に参加し，情報収集を行い，研修参加メンバーと，家族間のコミュニケーションを含む，がん患者とその家族のケアに関するディスカッションを行った．がん看護学会，東アジア看護学研究者フォーラム等に参加し，国内外の家族看護およびコミュニケーションに関する研究知見に関する情報収集，および研究者間での情報交換を行った．今後は，看護師に対する調査を行い，末期がん患者と家族間の良好なコミュニケーションを促進するために行っている看護実践内容等を明らかにする予定である．その際に上記で得た情報を活用して，データ収集，分析方法をより妥当なものとする．

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

今年度は，本研究の基礎となる概念の分析に予想以上に時間を要した．また，両親の看病と介護のために研究時間が減少し，進行が遅れた．

Strategy for Future Research Activity

概念分析は，今後の研究の基盤となる部分のため，十分に時間をかけて研究者間で検討しながら分析を進めていく．また，今年度着手できなかった看護師への面接調査は概念分析終了後にただちに着手する予定である．これらの研究成果を発表するとともに，研究の知見を用いた質問紙調査の準備を行い，遅れを取り戻す予定である．

Causes of Carryover

研究実施の遅れにより，使用予定であったデータ入力およびテープ起こしの人件費の分が未使用となったためである．

Expenditure Plan for Carryover Budget

今年度実施できなかった面接調査を実施予定であるため，残額は，面接調査のテープ起こし，データ整理等に使用する予定である．具体的には，28年度は240千円だった研究補助の人件費・謝金に，面接データのテープ起こしを委託するために400千円を追加して合計640千円を活用する予定である．また，200千円を物品費に追加し合計250千円とし，データ入力のためのパーソナルコンピューター1台を購入し，活用する予定である．