2017 Fiscal Year Annual Research Report
End-of-life and palliative care for individuals with amyotrophic lateral sclerosis receiving NPPV
Project/Area Number |
15K11617
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
牛久保 美津子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (90213412)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ALS / NPPV / 終末期 / 呼吸不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、非侵襲的人工呼吸療法(NPPV)管理下で、気管切開下の人工呼吸器装着を望まない筋萎縮性側索硬化症療養者の終末期における緩和ケアを検討するため①文献検討と②面接調査を実施した。 ①文献検討では、呼吸不全に対してNPPVを受けて最後を迎えたALS療養者に関する文献検討、および肺実質には問題のない非がん疾患であるALSと慢性心不全を対象にして文献検討による比較を行った。結果、ALSも心不全においても、NPPVの有効性を示す研究が多く、NPPVが限界がきた際の緩和ケアに関する論文はほとんどみられなかった。やがてくるNPPVの限界に対して、気管切開下の人工呼吸療法を望まぬ患者への緩和ケアの開発が必要である。 ②面接調査では、認定看護師あるいは専門看護師の資格を有し、NPPVで最後を迎えた患者のケア経験を有する看護師を対象にして、呼吸不全に対しNPPVを行う多様な疾患(心疾患、呼吸器疾患、神経難病)10例における死亡時の状況や看護師の考えなどについて面接調査を実施した。経験事例はみな病院死であった。NPPVは、呼吸不全に対する標準的な治療という位置づけで導入されていた。終末期の苦痛状況は、疾患の違い、年齢、医療機関の種類、急性か慢性呼吸不全かによって、違いが生じていることが明らかになった。ケアの困難さは、身体的苦痛の緩和、セデーションのかけ方、痰の吸引時における呼吸困難と血圧低下の管理、見通しの不確かさによる生命維持かQOLかの方針決定の難しさ、介護力により左右される患者の生命の長さ、家族教育、緩和ケアに対する医師との考え方の相違などがあげられた。NPPV患者に対するさまざまジレンマが明らかとなった。臨床現場におけるアドバンスケアプラニングのあり方(意思決定支援)と学際的チームアプローチの普及、倫理教育および非がん疾患の緩和ケアの発展が求められる。
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Research Products
(10 results)
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[Book] 在宅看護論2017
Author(s)
牛久保美津子
Total Pages
268ページのうち170-189ページ
Publisher
メヂカルフレンド社
ISBN
978-4-595-31724-8