2017 Fiscal Year Research-status Report
強度変調放射線治療を受ける前立腺がん患者の膀胱内蓄尿を再現する看護援助の検討
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15K11648
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
葉山 有香 同志社女子大学, 看護学部, 講師 (30438238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 ふみ子 愛知医科大学, 看護学部, 教授 (10276876)
光木 幸子 同志社女子大学, 看護学部, 准教授 (70269778)
伊藤 健一 大阪府立大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (30342223)
南 裕美 武庫川女子大学, 看護学部, 助教 (90779240)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | がん / 放射線 / 前立腺 / 看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
前立腺がんの放射線治療において、強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy、以下IMRTと略す)が注目されている。IMRTは新しい治療法であり、放射線の強度を変えることによって正常組織を避けて病巣に照射する点が特徴である。より精度の高いIMRTを実施するためには、治療計画時の膀胱内容量を毎回のIMRT治療時に再現することが重要となる。 本研究の目的は、IMRTを受ける前立腺がん患者に対し、IMRT治療時の膀胱内容量とセルフケア行動についてプロスペクティブに調査し、これをもとに、治療計画時の膀胱内容量を再現し、精度の高いIMRTを実現するための看護援助を検討することである。 平成27年度・平成28年度に前立腺がんでIMRTを受けた患者15名の、精確な照射実現に関連するセルフケア行動(水分・食事摂取状況、活動状況等)、排尿症状、治療に関連した苦痛の有無と、CT画像から治療計画時の膀胱内容量と治療実施中の時期における膀胱内容量の計測を行ったデータの関係性について検討した。その結果、治療計画時の膀胱内容量と治療実施中の時期における膀胱内容量の差が、30ml以上のものが半数みられることが明らかとなった。治療計画時の膀胱内容量と治療実施中の時期における膀胱内容量の差が30ml以上みられる患者では、その半数以上に排尿障害症状がみられた。一方、治療計画時の膀胱内容量と治療実施中の時期における膀胱内容量の差が30ml以下の患者では、排尿障害症状の出現した者としなかった者がほぼ同数であった。また、治療中のセルフケア行動には、個人差が大きいことが明らかとなり、全体を比較することが困難であった。平成29年度は、研究成果の一部を学会で発表した。 平成30年度は、治療計画時の膀胱内容量を毎回のIMRT治療時に再現するための看護援助について検討・実施・評価をしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
医学系研究の倫理審査が1年に2回のみ実施される状況であり、当初の計画通りに倫理審査を受けることができなかった。また、看護学部の領域実習開始に伴い、データ収集のためにフィールドに出られなかったこと等、研究者のその他の業務の多忙により、当初計画の遅延が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、倫理審査申請を行い、研究を進めていく。併せて、これまでの結果を踏まえて看護援助の検討・実施・評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度は、看護学部開設3年目で初めて領域実習がスタートし、実習指導により十分な研究時間を確保することができなかった。そのため、倫理審査申請をスムーズに行うことができず、研究を進めることができなかった。平成30年度は、教育と研究を両立させ、倫理審査申請を行い、研究を進めたいと考える。
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Research Products
(1 results)