2017 Fiscal Year Research-status Report
高年初産婦とパートナーのための育児支援プログラムの開発と介入効果の検討
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15K11679
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Research Institution | Gunma Paz University |
Principal Investigator |
中島 久美子 群馬パース大学, 保健科学部, 准教授 (50334107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 幸子 群馬パース大学, 保健科学部, 准教授 (00587678)
臼井 淳美 群馬パース大学, 保健科学部, 講師 (20444929)
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Project Period (FY) |
2016-01-27 – 2019-03-31
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Keywords | 夫婦関係 / 夫婦の親密性 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的は、高年初産婦とその夫8組を対象に、妊娠期及び産後1カ月・3カ月の段階で面接調査を行い、妻の心身の健康状態及び夫の関わりに対する妻の満足感について夫婦の認識を明らかにすることである。今回は、産後1カ月の妻の状況について報告する。 1)対象の背景 分娩方法は、自然分娩4名、無痛分娩2名(うち1名は吸引分娩)、吸引分娩1名、帝王切開1名であった。 産後1カ月の妻の健康状態は全員良好であり、子どもの状況は順調な発育であった。1カ月の家事育児の協力体制は、里帰り5名、実母の手伝い2名、夫の協力のみ1名であった。 2)産後1カ月の高年初産婦の心身の健康状態は、【高年出産が影響する心身の回復の遅れ】【育児や児の生活リズムに適応できない心身の負担感】の2カテゴリに集約された。精神的疲労については、実感あるが高年初産とは無関係8名であり、理由は、赤ちゃんが思うように泣き止まない、母乳が思うように出ない等の「不規則な児の生活リズムにより生じる睡眠不足」であった。身体的疲労については、実感あるが高年初産とは無関係4名、実感ありで高年初産が影響している2名であり、実感ありの理由は、寝不足の回復力が遅い、授乳の姿勢で下を向いていたら、首や肩がパンパンになる等、「妊娠・出産の影響に伴う産後のマイナートラブル」のサブカテゴリであった。 3)1カ月の夫の関わりに対する妻の満足感は、【妻の心身への夫の気づかい】【夫婦の家庭内役割の協同】【夫の父親らしさ】の3カテゴリに集約された。赤ちゃんの世話や夜の睡眠がとれないときに愚痴や不安を黙って聞いてくれる等「育児の心配事を聞くなどの精神的な気づかい」、家事も赤ちゃんのお世話も可能なことは積極的に協力してくれる等の「夫婦の連携・協同による育児」、赤ちゃんのことをじっくり観察して夫婦で会話をする等「子どもを通した夫の父親としての優しさや頼れる姿を実感」のサブカテゴリであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の妊娠期から産後3カ月までの面接調査の結果を踏まえて、妊娠期の高年初産婦とそのパートナーを対象にした夫婦参加型クラスを実践している。プログラム内容の介入効果を検証し、産後の夫婦の親密性を高め、高年初産婦の心身の健康状態を高めるクラスを運営することが本研究の目的である。しかし、1)研究協力施設の母親学級における高年初産婦の参加者数が少ないうえ、2)対象夫婦の仕事調整ができずに本研究のクラスに参加できない等の理由により対象者リクルートに困難をきたしている。本研究のクラスに選定した介入群は、25組を予定しているが、上記の理由により現在までに参加した夫婦が少なく、クラス参加夫婦の介入群を募り、クラス参加した夫婦のクラスを実践している。
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Strategy for Future Research Activity |
妊娠期の高年初産婦とそのパートナーを対象としたクラスに参加の介入群とクラスに参加していない対象群とを比較し、産後1カ月、3ヶ月の時点で、夫婦関係の満足度および産後の妻の心身の健康状態がどうなるのかに焦点を当てて、検討する。研究を遂行する上では、介入群の高年初産婦とそのパートナーを分析可能な人数までリクルートすることが課題である。現状では、協力施設で運営される母親学級において、対象者のリクルートを進めているが、今後は、協力施設をクラスの会場とし、参加しやすい方法をとることも検討している。
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Causes of Carryover |
研究計画としては、2年目から3年目に介入効果を検証する計画である。今後、対象者の1カ月、3カ月の継続的な調査を実施し、取りまとめて分析を実施し、介入効果の検証を行うこため、その成果報告を含めて3年目に実施することを計画している。
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Research Products
(4 results)